Odor Control — Why the smell stops

臭いを消すのではなく、臭いを、生ませない。

臭気指数 最大88%減 DO(溶存酸素)均一化 嫌気代謝の抑制 薬剤・消臭剤に頼らない
Why It Smells
NH₃

アンモニア

尿や糞に含まれる尿素・タンパク質が、酸素の乏しい環境で分解されるときに発生します。畜舎内でもっとも感じやすい刺激臭で、家畜の呼吸器にも負担をかけます。

主な発生源:畜舎床面・尿溝
H₂S

硫化水素

硫酸還元菌が、酸素のない環境で硫酸イオンを還元して生成します。腐卵臭の主成分で、汚泥が堆積した排水路や浄化槽の底部といった、完全な無酸素層でとくに強く発生します。

主な発生源:排水路・槽底の汚泥
R-SH

メルカプタン類

含硫アミノ酸が嫌気的に分解されて生じる硫黄化合物です。ごく低い濃度でも強く感じられ、近隣からの苦情につながりやすい、粘りのある臭いをつくります。

主な発生源:浄化槽・貯留槽
VFA ほか

低級脂肪酸・スカトール・インドール

炭水化物やタンパク質が嫌気発酵する過程で生じます。酸っぱい臭い、糞便臭として認識され、通路や掃除の行き届かない場所に残った有機物から立ちのぼります。

主な発生源:通路・残餌・掃除残り
これらはいずれも「嫌気(無酸素)状態でしか進まない代謝」の副産物です。逆にいえば、水と有機物が接するすべての場所に酸素が行き渡っていれば、悪臭物質が生まれる化学的な出発点そのものが成立しません。
Conventional Approach
対策 A

消臭剤・マスキング剤

発生した臭気成分を中和・吸着・被覆する方法。即効性はあるが、発生そのものは続いている。

  • 散布を止めると臭いが戻る
  • 資材費と散布の手間が継続的に発生
  • 発生源(嫌気環境)は残ったまま
対策 B

マイクロバブル単独

微細気泡で酸素を溶かす方法。酸素を「つくる」ことはできても、槽全体へ「運ぶ」働きは持たない。

  • 水流が起きず、DOが局所的にとどまる
  • 底部・隅・配管下流に嫌気層が残る
  • 専用機器が高価で電力消費も大きい
BOリアクター

酸素供給 × 攪拌

酸素を溶かすと同時に回転水流で運び、水そのものを「嫌気環境をつくらせない媒体」に変える。

  • 槽全体のDOを均一化し、滞留層を解消
  • 処理水が下流の配管・排水路まで酸素を運搬
  • 消臭ではなく、生成そのものを抑制
  • 薬剤・添加剤の継続購入が不要
Mechanism
従来:槽内のDOにムラがあり、底部の嫌気ゾーンから悪臭ガスが発生している状態 従来:DOにムラがある状態 H₂S・NH₃ メルカプタン 嫌気ゾーン(DO不足)
嫌気性微生物が無酸素層で増殖し、硫化物やアンモニアを生成。酸素が届かない底部に嫌気層ができると、そこが悪臭ガスの発生源になる。
BOリアクター導入後:槽全域のDOが均一化し、好気性微生物が優位になって悪臭ガスが発生しない状態 導入後:好気性が優位な環境 ✓ 悪臭ガスの発生なし
好気性微生物が全域で活性化し、有機物を水と二酸化炭素まで分解。嫌気層が消えることで、悪臭物質の生成経路そのものが働かなくなる。
01
DOを、槽の全域で均一にする

多孔板による酸素溶解と回転水流の組み合わせが、死水域や濃度ムラを解消します。「平均のDOが高い」ではなく、「どこを測ってもDOがある」状態をつくることが要点です。

02
好気性微生物が、優位になる

酸素が十分にある環境では、増殖速度で勝る好気性菌が嫌気性菌を競合排除します。菌を薬剤で叩くのではなく、増えにくい環境をつくることで菌相そのものを入れ替えます。

03
悪臭物質が、生成されない

好気性分解では、有機物は水と二酸化炭素まで分解が進みます。硫化水素やアンモニアを生む嫌気代謝の経路自体が働かなくなるため、結果として臭気が発生しません。

BOリアクターの脱臭は「臭いを消す」処理ではなく、「臭いをつくらせない」環境制御です。だからこそ、装置が動いているかぎり効果が続きます。
Site-wide Effect
Stage 01 — Livestock House

畜舎

酸素を含んだ水が飲水・洗浄水として床面に行き渡り、表層のバイオフィルムを好気状態に保ちます。尿素分解菌の嫌気代謝が抑えられ、アンモニアの立ち上がりを抑制します。

主な臭気リスク:NH₃(アンモニア)
Stage 02 — Walkway

通路

洗浄時に流れる水自体がDOを保持しているため、掃除し残した有機物が嫌気発酵に転じる前に、好気分解の側へ誘導されます。

主な臭気リスク:VFA・スカトール・インドール
Stage 03 — Drainage

排水路

流送中もDOが維持されるため、内壁に嫌気性のバイオフィルムが育ちにくくなります。硫酸還元菌の活性が抑えられ、腐卵臭の発生源が減っていきます。

主な臭気リスク:H₂S(硫化水素)
Stage 04 — Treatment Tank

浄化槽

流入水そのものが酸素を持って入ってくるため、好気処理の立ち上がりが早くなります。槽内に嫌気領域が形成されるのを未然に防ぎます。

主な臭気リスク:メルカプタン・H₂S
共通原理は一つです。水自体がDOを運ぶことで、流れる先のどこにも嫌気スポットをつくらせない。悪臭発生の出発点となる嫌気代謝のスイッチを、現場の入口から終端まで一貫してオフのまま保ちます。
Inside the Device
BOリアクターの断面構造図。3段の処理室と多孔板、セラミック担体の配置
直径 105mm / 処理室 47mm × 3段 / 高さ 約220mm
1
Oxygen Dissolution

多孔板が、酸素を溶かす

小径・中径・大径の通水孔を配置した仕切板を空気が通過する際、気泡が微細に分散します。マイクロバブル装置を別途用意せずとも、高い酸素溶解効率が得られます。

2
Rotational Flow

回転水流が、酸素を運ぶ

多孔板の羽根が旋回流を生み、処理水を槽全体へ拡散させます。酸素が届かないデッドゾーンを解消する、この「運ぶ」働きが、マイクロバブル単独との決定的な差です。

3
Biofilm Carrier

セラミック担体が、分解を担う

独自焼成セラミックの細孔に好気性微生物が定着・増殖し、有機物と臭気成分を継続的に分解します。菌を投入するのではなく、その場の有用菌が働き続ける場所を用意する設計です。

構造の詳細は「技術解説」で →

Proven Results

養豚場の臭気改善(沖縄県うるま市)

琉球協同飼料系 養豚場 / 1,000〜2,500頭規模 / 10t飲水タンクに設置

臭気指数
導入前 75〜88%削減
▼75〜88%
近隣からの苦情
複数件 ゼロ達成
▼100%
施設出入口・堆肥場
悪臭あり 臭気指数 0
▼100%

夏季の気温が高い時期であっても、導入当初より各計測地点で臭気レベルの低下を確認。

臭気改善に続いて現れた変化(鹿児島・埼玉)

南九州畜産獣医学拠点 SKLV / キトンファーム山下

SKLV/近隣の苦情
開設以来 ゼロを継続
0件
キトンファーム/出荷日数
220日 206日
▼14日
キトンファーム/母豚舎のハエ
多発 ほぼ消滅
大幅減

臭気の低下とともに、ハエの減少や堆肥の発酵温度上昇など、周辺環境の変化も確認されています。

「分解しきる」ことの意味を確かめた実験

鹿児島県 南九州畜産獣医学拠点(SKLV)/ 22日間

BOリアクター処理水100Lとカルキ抜き市水100Lに、それぞれ同量の牛フン(3kg)を投入してエアレーションを継続し、22日間モニタリングしました。

BO処理水と市水を並べた実験の設置状況 実験設置:左BO処理水 / 右市水
22日後の内容物の比較 22日後:BO側で分解進行

22日後、BO処理水側の内容物はサラサラとした土状になり、臭気は確認されませんでした。一方、市水側は水の透明度こそ高いものの、原料の形を残した塊状のヘドロが残存し、底部でアンモニア臭が確認されました。

同じ曝気条件でも、処理水の側で分解が最後まで進み、臭気の残らない状態に到達した。

DOの「均一さ」が保たれることの検証

同形2槽による比較実験(BOリアクター / 筐体のみ)

同じ条件の2槽に、それぞれBOリアクターと「セラミックを抜いた筐体のみ」を設置し、曝気→静置→再曝気→攪拌のみ→別槽移送と条件を変えながら比較しました。

BOリアクター設置槽のDO測定 BO設置槽(DO測定中)
対照槽(BO筐体のみ)のDO測定 対照槽:BO筐体のみ

BO設置槽では、曝気を止めて静かに攪拌するだけのフェーズでも、水面・中間・底のDO値が早く収束しました。さらに、処理水を別槽へ移送した後も、DOの空間均一性が保たれる傾向が見られました。

曝気の有無にかかわらずDOの空間均一化が進み、その水が別の場所へ移っても効果が維持される可能性が示された。

※ 臭気の測定にはポータブル型ニオイセンサ(新コスモス電機「XP-329 III R」相当機)を使用し、計測ポイントを固定した定点観測を行っています。数値は計測中の最大値です。効果は現場の規模・水量・運用条件によって異なります。

Time & Conditions
Timeline

変化の現れ方には順序がある

水が入れ替わる飲水系統や、曝気の効いた槽から先に変化が現れます。畜舎全体や排水路の下流に波及するには、水が現場をひと巡りする時間が必要です。夏季と冬季でも進み方は変わります。

Accumulation

堆積した汚泥ほど、時間がかかる

長年たまった汚泥や、厚く積層したバイオフィルムに対しても、BOリアクターは微細バブルと好気環境によって徐々に改善へ向かわせます。ただし即効性はなく、分厚い堆積ほど長期的な利用が前提になります。

Conditions

水が動く場所であることが前提

装置本体に動力を持たないため、自然水流のない閉鎖環境では外部ブロワが必要です。また、配管が長い現場では末端まで効果が届くのに時間がかかります。現場の構造に応じた設置台数・位置のご提案をしています。

短期間で結果を確認したい現場には、初期の清掃・除去とBOリアクターによる維持を組み合わせたご提案をしています。長期的に取り組める現場であれば、BOリアクター単独でも徐々に改善へ向かいます。
FAQ
消臭剤や脱臭装置とは何が違いますか?

消臭剤・脱臭装置は、発生してしまった臭気成分をあとから中和・吸着・希釈する対策です。BOリアクターは水中の溶存酸素を均一に保ち、悪臭のもとになる嫌気代謝そのものが起こりにくい環境をつくることで、臭気成分が生成される前の段階に働きかけます。既存の脱臭設備と併用することもできます。

どのくらいの期間で臭いが変わりますか?

現場の規模・水量・堆積物の状態によって変わります。飲水や洗浄水など水が入れ替わる系統では比較的早く変化が現れますが、長年たまった汚泥やヘドロ、配管の末端など、酸素が届きにくい場所ほど時間がかかります。デモ機の貸し出しによる試験導入で、実際の変化を確かめていただくことをおすすめしています。

既存の設備を大きく変える必要はありますか?

必要ありません。既設の飲水タンクや汚水槽にステンレスチェーンで吊るし、エアブロワをつなぐだけで稼働します。目安は10〜20トンの水槽に1台です。自然に水が動いている環境では、ブロワなしで設置できる場合もあります。

電気代やメンテナンスの負担はどの程度ですか?

装置本体にモーター等の動力を持たないため、維持費はエアポンプ稼働時の電気代のみです。消耗品はなく、薬剤や添加剤の補充も不要で、メンテナンスは定期的な清掃のみです。

臭いの発生源が水ではなく堆肥や敷料の場合でも効果はありますか?

BOリアクターは水を媒体として現場全体に酸素を運ぶ装置です。飲水・洗浄水・排水といった水の流れがある系統では、そこにつながる畜舎床面や排水路の臭気に働きかけます。堆肥場そのものに対しては、BOリアクターで生成した液肥を発酵層に噴霧して発酵を促し、臭気を抑える方法をあわせてご提案しています。

効果を数値で確認できますか?

できます。導入現場ではポータブル型ニオイセンサによる定点観測を行い、同じ計測地点の数値を導入前後で比較しています。試験導入の際も、計測ポイントを決めたうえで経過を記録します。

お問い合わせ・資料請求

関連:DO(溶存酸素)とは曝気してもDOが上がらない原因現場レポート