Technology — How BO Reactor works

微生物の力を、最大限に引き出す。

特許取得済み MBBR様構造 高効率酸素溶解 回転水流設計 独自焼成セラミック担体
BOリアクター 断面構造図
直径 105mm / 処理室 47mm × 3段 / 高さ 約220mm / 重さ 約2kg
What is BO Reactor
  • 微生物活性化が処理の核心

    セラミック担体に定着した好気性微生物が、有機物・臭気成分を分解します。吸着ではなく「生物処理」が基本原理です。

  • 酸素供給と拡散の最適化

    多孔板(プレート)と回転水流が協働し、溶存酸素をデッドゾーンなく全体へ届けます。好気性環境を効率よく維持します。

  • 装置本体に動力機器を持たない構造

    自然水流環境では外部動力不要。閉鎖環境では外部エアレーションと組み合わせて使用します。

Three Core Elements
01 MBBR-like Structure

簡易MBBR様構造による
微生物活性化

MBBR(Moving Bed Biofilm Reactor)は、担体を水中で流動させ微生物膜を形成させる生物処理技術です。BOリアクターはこの発想を応用し、水流に影響しない配列に括られた細孔セラミック担体を各処理室に配置。担体の微細な孔に好気性微生物が定着・増殖し、有機物の分解や臭気成分の生物的除去を継続的に行います。

Key Features
  • 担体は水流を阻害しない数珠状(円環状)配列で保持
  • 3段の処理室で段階的な生物処理を実現
  • 高耐久性の独自焼成セラミックが担体として機能
  • 微生物の定着・増殖を長期にわたって維持
鉱物セラミック担体(数珠状配列)
02 High-efficiency Oxygen Dissolution

多孔板による
高効率酸素溶解

各処理室を区切る仕切板(多孔板・プレート)は、小径・中径・大径の3種類の通水孔を配置した精密な構造です。エアレーションで供給された空気がプレートの細孔を通過する際に微細に分散し、水への酸素溶解効率を高めます。好気性微生物の活動に不可欠な溶存酸素を、効率よく処理水全体へ供給します。

Key Features
  • 小径・中径孔を中央部に、大径孔を外周に配置
  • 酸素供給 × プレート細孔 = 高効率な酸素溶解
  • マイクロバブルを別途用意せずとも効率的な溶解を実現
  • 通水孔と流水孔を分離した設計で流量を最適化
多孔板(通常版/旋回羽根付き)
03 Rotational Flow Distribution

回転水流による
デッドゾーンのない酸素運搬

多孔板に設けられた複数の羽根(ブレード)が、流れてくる水に旋回する流れを発生させます。この回転水流が処理水を処理室全体へ効率よく拡散させ、酸素が届きにくい「デッドゾーン」を解消します。既存の攪拌機とは異なり、装置本体にモーターを持たないため、シンプルな構造で継続的な拡散効果を実現します。

Key Features
  • プレートの羽が水の旋回流を自律的に生成
  • 処理室全体への均一な酸素拡散でムラを解消
  • 保持部材により装置の自己回転を抑制し安定稼働
  • モーター不要でメンテナンス負荷が低い
水槽内設置時の旋回水流イメージ
Comparison
既存技術 A

MBBR法

担体を流動させる生物処理技術。大規模施設向けで、設備・運用コストが高い。

  • 大規模設備・高コスト
  • 担体の流出・管理が煩雑
  • 小規模現場への適用が難しい
既存技術 B

マイクロバブル

微細気泡で溶存酸素を高める技術。酸素溶解には効果的だが、拡散・生物担体の機能は別途必要。

  • 専用機器が高価
  • 生物担体機能は持たない
  • 電力消費が大きい
BOリアクター

3要素の一体化

生物処理・酸素溶解・水流拡散を、一つの装置で統合。コンパクトで現場への適用が容易です。

  • MBBR様の生物処理機能
  • 多孔板による高効率酸素溶解
  • 回転水流でデッドゾーン解消
  • 装置本体に動力機器不要
Biofilm Carrier

シリカセラミック体

ケイ素を主成分に複数の酸化物を配合した人工焼成セラミック。担体全体の基幹となる素材で、各処理室に必ず使用されます。

微細な孔(細孔)に好気性微生物が定着・増殖し、長期間にわたって安定したバイオフィルムを維持します。高耐久性の独自焼成プロセスにより、水中での形状・性能を長期維持します。

SiO₂ 79.8% / Al₂O₃ 11.6% / Fe₂O₃ 1.2%
TiO₂ 0.2% / CaO 1.5% / MgO 0.7%
Na₂O 2.5% / K₂O 2.5%

角閃石セラミック体

自然石である角閃石を素材として焼成したセラミック。中段・上段の処理室でシリカセラミックと組み合わせて使用します。

細孔に定着した微生物の多様性を高め、処理段ごとに異なる微生物コミュニティが形成されます。数珠状配列(円環状)にワイヤで連続させることで、水流を阻害せずに最大限の表面積を確保しています。

担体の配置構成(3段)

下段処理部 シリカセラミック ×8数珠状配列
中段処理部 シリカ ×4 + 角閃石 ×8二重数珠構造
上段処理部 シリカ ×4 + 角閃石 ×4天板吊り下げ式
Installation
Mode 01 — Natural Flow

自然水流環境

海・河川・配管内など装置の外側で水が自然に動いている環境では、外部の動力機器は不要です。潮流・水温差・既存の循環ポンプの流れをそのまま活用します。

  • 海面養殖(生簀・いかだ)
  • 河川・用水路
  • 循環ポンプを有する陸上養殖
  • 給排水配管システム
外部動力追加コストなし / 24時間連続稼働
Mode 02 — Aeration

閉鎖・静止環境

貯水槽・汚水槽・堆肥化槽など水が動かない閉鎖環境では、外部エアレーション(ブロワ)を組み合わせて水の流れと酸素を供給します。本体にチューブを通して外部ブロワと接続します。

  • 畜産施設の糞尿・汚水槽
  • 堆肥化処理槽
  • 農業用貯水タンク
  • 循環なしの陸上養殖水槽
外部ブロワで通気 → 装置内に水流と酸素を供給
Proven Results

畜産・臭気改善(沖縄)

琉球協同飼料系 養豚場 / 1,000〜2,500頭規模

臭気指数
導入前 75〜88%削減
▼75〜88%
近隣の苦情
複数件 ゼロ達成
▼100%
施設出入口・堆肥場
悪臭あり 臭気指数 0
▼100%

畜産・飲水水質改善(沖縄)

同養豚場 飲水タンク / 2024年4月〜10月のモニタリング

一般細菌
6,700 個/ml 2,300 個/ml
▼66%
0.79 mg/L 0.28 mg/L
基準値以下
マンガン
0.56 mg/L 0.043 mg/L
基準値以下
亜硝酸態窒素
0.011 mg/L 0.004 未満
▼64%

養鶏・飲水水質改善(ベトナム)

Hoa Phat / Co Duong農場 / 設置前→約2か月後の検査

BOD(生物的酸素要求量)
3.84 mg/L 検出限界以下
▼100%
COD(化学的酸素要求量)
12.3 mg/L 検出限界以下
▼100%
総硬度(CaCO₃)
59.3 mg/L 45.8 mg/L
▼23%
大腸菌群
1,100 MPN/100mL 検出限界以下
▼100%

水産・海面養殖(愛媛)

有限会社 兵頭水産 / 鯛養殖 ・ 設置から約2〜3ヶ月の変化

年間へい死数
1,000〜2,000 匹 100 匹以下
▼90%以上
白点病の発症
毎年8月末発生 発症ゼロ継続
▼100%
海底ヘドロ
堆積あり 消滅
消滅
給餌頻度
毎日 週1回
生産単価 全国1位
畜産現場でもっとも多いご相談が「臭い」です。BOリアクターが悪臭を抑える仕組みは、「悪臭が抑えられる理由」で、原因物質から実測データまで詳しく解説しています。テーマ別の解説一覧はページ下部の索引からご覧ください。
畜産・飼育成績の実績(埼玉県・キトンファーム山下様): 出荷日数が 220日→206日(−14日)と短縮。出荷30頭中の上ランク評価が 2〜3頭→10頭に伸長。母豚舎ではハエがほぼ消滅し、堆肥の発酵温度が上昇するなど、飲水改善に端を発する一連の生産性向上が確認されています。

その他の現場:鹿児島県・南九州畜産獣医学拠点 SKLV(開設以来 悪臭苦情ゼロを継続)/ ベトナム・Viet Hung農場(設置前後で全測定点で臭気指数の低減を確認)/ 奈良県・農悠舎王隠堂(雨水溜池のアオコ分解、金魚増殖)/ 三重県・ナベカ(機器冷却水の鉄・シリカが2週間で半減)/ 佐賀県・辰巳水産(海苔加工で雑菌繁殖なし、生食可能品質)。
各事例の詳細データは 導入事例ハブ をご参照ください。
Research & Verification

処理水の分解促進効果

鹿児島県 南九州畜産獣医学拠点(SKLV)/ 22日間

BOリアクター処理水100Lとカルキ抜き市水100Lに、それぞれ同量の牛フン(3kg)を投入してエアレーションを継続し、22日間モニタリング。期間中、両条件とも臭気の発生はなし。開始直後からBOリアクター処理水の方で早く泡立ちが見られ、22日目には泡が落ち着いたため曝気を停止した。

BO処理水 vs 市水の実験設置 実験設置:左BO処理水 / 右市水
22日後の比較 22日後:BO側で分解進行

曝気停止後に水を別ペールに移し内容物を比較した結果、BO側は水がやや濁る一方、内容物はサラサラとした土状で臭気なし。市水側は水の透明度は高いものの、原料の形を残した塊状のヘドロが残存し、底部でアンモニア臭を確認。

BO 処理水
0004
22日目 臭気レベル
カルキ抜き市水
0017
22日目 臭気レベル

※ 原料の臭気機器測定値は0。新コスモス電機「ニオイセンサ XP-329 IIIR」相当機による測定値。

同条件下において、BOリアクター処理水では牛フンの分解が著しく進み土状化することが確認された

溶存酸素(DO)均一化と効果の持続

同形2槽による多段階比較実験(同曝気→静置→再曝気→自然水流→別槽移送)

90L塩素除去市水+10L池の水+有機たい肥450g(大豆+鰹)を入れた同形2槽に、それぞれ「BOリアクター」と「BO筐体のみ(セラミック抜き)」を設置。同量曝気30L/60secでスタートし、その後、静置→再曝気→曝気なし攪拌→別槽移送と条件を段階的に変えて比較した。

BO設置槽でのDO測定の様子 BO設置槽(DO測定中)
対照槽(BO筐体のみ)でのDO測定の様子 対照槽:BO筐体のみ(DO測定中)

BO設置槽は分解初期から泡が細かく、8日間静置後の再曝気でも小さな泡で済むのに対し、対照槽は静置前と同じ大きな泡を再発。曝気を止めて棒で静かに攪拌するだけのフェーズでも、BO設置槽は水面・中間・底のDO値の収束が早い傾向を示した。さらに、BO処理水を別槽に移送した後も、同様にDOの空間均一性向上傾向が維持された。

BOリアクターは曝気の有無に関わらず DO の空間均一化を促進し、処理水を別槽へ移送した後も効果が維持される可能性が示唆された

海底堆積物の分解再現実験

鶏糞10kgを水槽底部に堆積させ海底環境を模倣

水槽底面に鶏糞10kgを敷き詰めて押し均し、海底ヘドロ堆積を模擬。BOリアクターは曝気で浮上するため錘で固定し、装置周辺の水流と堆積物の変化を観察。装置周辺には底面と平行に滑る反時計回りの水流が確認され、通常曝気(筐体のみ)では発生しない。

BOリアクター稼働時

底面と平行に滑る反時計回りの水流

通常曝気(BOリアクターなし)

底面の水流は発生しない
2日後:堆積物表面に付着したふわふわした構造物(腐植様物質)2日後:堆積物表面にふわふわした構造物(腐植様物質)の付着
7〜9日後 底面の黒色層が減少する傾向7〜9日後:底面の黒色層に減少傾向

2日後、堆積物表面と水槽壁面にふわふわとした構造物(腐植様物質と推察)が付着し、堆積物上端は明るい黄色〜底に向かうほど黒色(嫌気状態)のグラデーションを形成。7〜9日後の比較では、底面の黒色層が減少する傾向と、堆積物の隙間から茶色い液体(ガスを含むと考えられる)の噴出を確認した。

BOリアクターの回転水流が海底堆積有機物の好気的分解を促進し、液肥の正体となる腐植質含有液体の生成につながる可能性が示唆された

泡の状態で分かる、分解の進捗

液肥プラントの発酵状態は、泡の大きさ・色・寿命から推定できます。これはフルボ酸・フミン酸の界面活性効果と、バイオフィルム(粘性高分子)の寿命に起因すると考えられます。

初期段階(第1槽)

細かく寿命の長い泡が大量に堆積。バイオフィルム(粘性高分子)が多い状態。腐植物質はまだ少ない。

中間段階(第2槽)

フルボ酸・フミン酸が生成し始め、界面活性効果で泡が大きく、消えやすくなる。分解が進んでいる証拠。

完成段階(第3槽)

泡がほぼ消滅。臭いがなくなり透明度が増す。腐植物質(フルボ酸・フミン酸)を多く含む液肥の完成。

指標: 易分解性有機物量 = バイオフィルム量 = 泡の寿命 / 腐植物質量 = 界面活性効果 = 泡の大きさ
Liquid Fertilizer Plant
液肥プラント全景。屋外に並ぶ連結タンク群と、左手前の棚に設置したブロワ
液肥プラント全景 / 屋外設置の連結タンク群とBOリアクターによる曝気システム

液肥生成の機序:DO均一化からフルボ酸様液体へ

液肥プラントが約1ヶ月という短期間で完成液肥を得られる理由は、BOリアクターが起こす次の4つのステップに集約されます。

1
Step 1 — DO Uniformity

溶存酸素の均一化

BOリアクターは、各処理室の多孔板+回転水流+セラミック担体の組み合わせにより、槽内の溶存酸素(DO)を空間的に均一に保ちます。これが、すべての連鎖反応の起点になります。

2
Step 2 — Aerobic Microbes

好気性菌体の増殖

DO均一化により、槽内の好気性微生物が活性化し急増します。第1槽で観察される大量の細かい泡は、微生物が有機物分解の過程で生成する粘性高分子(バイオフィルム)が原因です。バイオフィルムは「分解が活発に進んでいる」というサインです。

3
Step 3 — Decomposition

易分解性有機物の分解促進

炭水化物・タンパク質・脂肪などの易分解性有機物が、好気性微生物のエサとして急速に消費されます。副生成物として、菌体由来のキノイド・アミノ酸・ペプチドなどが蓄積し、後段の腐植物質生成の原料になります。

FULVIC ACID
4
Step 4 — Decant & Transfer

沈降と上澄み移送の反復 → フルボ酸様液体の完成

曝気を止めて12時間静置すると、高分子・難分解性成分は底に沈降し、分解が進んだ低分子成分が上澄みに残ります。上澄み約1/3を次槽へ移送する経験則を反復するうちに、徐々にフルボ酸・フミン酸が濃縮された液体に変化していきます。液肥を酸性化するとフミン酸が黒色沈殿し、上澄みに明るい褐色のフルボ酸溶液が現れます。各槽12時間の静置中には脱窒反応も並行して進みます。

プラントの工程:3槽 × 約10日 = 約1ヶ月で液肥化

家畜し尿槽内にBOリアクターを吊るし、3槽連結で順に処理します。従来の完熟堆肥が3〜6ヶ月かかるのに対し、約1ヶ月で液体状の腐植物質が得られます。

1 原料 畜産排水(原尿) 白濁・強い臭気。豚・牛の排水をそのまま投入。
2 第1槽 初期発酵 BOリアクターで曝気。大量の細かい泡が発生し、易分解性有機物を微生物が分解。 約10日
3 第2槽 腐植物質の生成 フルボ酸・フミン酸が生成し始め、界面活性効果で泡が大きくなり落ち着く。臭いが弱まる。 約10日
4 第3槽 液肥の完成 臭いが消え透明度が増す。黒褐色の腐植物質を豊富に含む液体が完成。 約10日

※ 実績:夏季 各槽1週間/冬季 各槽2週間(沖縄県・琉球協同飼料様 実証データ)。

各槽の発酵状態

第1槽 初期発酵段階
第1槽 / 初期発酵 大量の白い泡が表面を覆う。バイオフィルムが多く、易分解性有機物の活発な分解が進行中。
第2槽 腐植物質の生成段階
第2槽 / 腐植物質の生成 フルボ酸・フミン酸の生成が始まり、界面活性効果で泡が大きく、時間経過で消えるようになる。
第3槽 液肥の完成段階
第3槽 / 液肥の完成 泡が立たなくなり透明度が増す。黒褐色の腐植物質を豊富に含む液肥に。

※ 泡の状態モデル(バイオフィルム量=泡の寿命 / 腐植物質量=泡のサイズ)の詳細は、上の 検証実験セクション をご参照ください。

腐植物質の3区分:分子量で異なる性質と効き方

腐植物質は、微生物分解で生じる複雑な高分子有機物の総称です。分子量と溶解性の違いで以下の3つに区分されます。液肥プラントでは、不溶性のヒューミンは取り除かれ、フルボ酸とフミン酸が濃縮されます。

即効性 / 黄褐色

フルボ酸

分子量 1,000〜10,000。アルカリ・酸どちらにも溶ける小型の腐植物質。即効性が高い。

  • キレート効果による微量元素の吸収・輸送効率の向上
  • 家畜の健康・増体促進(飲水添加)
  • 作物の生育支援(液肥として圃場散布)
  • 水・アルカリ抽出で液体資材化が容易
遅効性 / 暗褐色

フミン酸(腐植酸)

分子量 10,000〜100,000。アルカリには溶けるが酸では溶けない中型の腐植物質。官能基が豊富で遅効性。

  • pH緩衝作用(土壌pHの安定化)
  • 陽イオン交換容量(CEC)の向上
  • 団粒構造の形成
  • 長期的な土壌改良効果
不溶性 / 黒褐色

ヒューミン

分子量 100,000〜1,000,000。アルカリ・酸どちらにも溶けない巨大高分子。土壌に定着する。

  • 不溶性のため液肥プラントでは取り除かれる
  • 土壌中では地力ベースアップに寄与
  • 難分解性で長期間土壌に残留

※ 腐植物質は、微生物分解によって生じる複雑な高分子有機物のため、確定的な構造式はなく、現在も世界中で研究が継続中です。BOリアクターは、自然界では数年〜数十年かかる腐植化のプロセスを、畜産現場で扱える時間軸に圧縮します。

腐植物質の代表的な効果(12項目)

フルボ酸・フミン酸が示す多様な効果は、その複雑な高分子構造に由来します。土壌・植物・畜産現場のいずれにおいても、複合的な恩恵をもたらします。

pH緩衝作用

土壌や水のpHを安定させ、植物や微生物が育ちやすい環境を維持します。

キレート反応

金属イオンと安定錯体を形成し、微量元素を保持。作物・家畜の吸収効率を向上させます。

陽イオン交換容量(CEC)

養分保持力が高く、肥料成分を土壌中に長く留めて利用効率を高めます。

土壌団粒構造の形成

黒くふかふかとした豊かな土壌を形成。保水性・排水性・通気性を同時に改善します。

生理活性機能

植物ホルモン様の働きで、発芽・発根・生育を促進します。

病原菌の抑制

有用微生物の多様性を高め、病原菌や有害センチュウの異常発生を抑制します。

植物生育障害の防止

連作障害・塩類集積などのストレスから作物を保護します。

保肥力・保水力・排水性

肥料の流亡を防ぎつつ過剰水分は排出。乾湿どちらの環境にも耐性を与えます。

脱臭効果

悪臭成分を吸着・分解。畜舎・堆肥場の臭気を軽減します。

余剰汚泥の削減

廃水処理過程で生じる余剰汚泥を減らし、処分コストを低減します。

油の分解(界面活性)

親水基と疎水基を併せ持つ構造により、油分・汚れの乳化と分解を促進します。

抗酸化性

活性酸素種を捕捉し、作物・家畜の酸化ストレスを緩和します。

液肥(フルボ酸様液体)の活用バリエーション

畜産現場では、生成した液肥を多用途に展開できます。原料は自家排水、ランニングコストはほぼゼロです。

Use 01 — Compost

堆肥場の発酵層に噴霧

完熟化を促進し、発酵期間を短縮。同時に臭気も低減します。堆肥品質の向上にも寄与します。

Use 02 — Sludge

浄化槽の返送汚泥に添加

「臭気・水質・余剰汚泥」に一括対応する資材として利用可能。浄化槽の運用安定化が期待できます。

Use 03 — Washing

畜舎の洗い水に添加

畜舎洗浄水に加えることで、臭気対策と大腸菌対策を同時に行えます。

Use 04 — Drinking Water

家畜の飲水に添加

キレート効果による微量元素の吸収効率向上で、家畜の健康と増体促進が期待できます。

EC で「効く液肥」を見極める

Electric Conductivity

EC(電気伝導度)は、土壌・液肥に含まれる塩類濃度の指標で、硝酸態窒素と正の相関があります。経験則として、EC 4〜5 が原液として適正範囲。EC 4以下では液肥としての効力が出にくくなります。

山下養豚(埼玉)の液肥がEC高めなのは、施設構造上原尿に水・雨が流入せず、エサのエコフィードや魚粉由来の塩分が濃縮されるため。圃場利用時はEC測定で濃度を確認し、必要に応じて希釈してください

作物による使い分け

Crop-Specific Application
葉物野菜(ほうれん草など) 硝酸態窒素を効率よく吸収。土壌に吸着されにくく雨水で流れやすいため、畑での施用に向きます。
アンモニア態窒素を吸収。土壌に吸着し雨水で流れにくいため、水田での施用に向きます。
特許
取得済み
Patent
特許番号特許第7902497号(2026年7月31日 登録)
発明の名称液体処理装置、家畜用飲水製造装置、家畜用飲水製造方法、畜産液肥製造装置及び畜産液肥製造方法
出願番号・出願日特願2024-201910 / 2024年11月19日
権利者有限会社シューコーポレーション
  • 円筒状外容器内の複数仕切板・内容器・濾材による多段構造
  • 小径・中径・大径の通水孔を仕切板中央・外周に配置した多孔板設計
  • 流水孔に設けた羽根による旋回流生成メカニズム
  • 旋回流の逆方向回転を抑制する保持部材の機能
  • シリカセラミック体と角閃石セラミック体の3段配置構成
  • 駆動装置を装置本体に設けずに液体を処理する方法と構成

特許第7902497号 取得のお知らせを読む

Knowledge Base

課題解説

「なぜそうなるのか」を原因から解説

課題解説

畜産の悪臭が発生する原因

アンモニア・硫化水素・メルカプタン類はどこで生まれるのか。臭気の発生機序と、実測データ。

解説を読む →
課題解説

曝気しているのにDOが上がらない

空気は送っているのに酸素が届かない。5つの原因と、測定による切り分けの手順。

解説を読む →
「準備中」と表示している項目について。お問い合わせの多いテーマですが、現時点で公開できる実測データ・現場記録が揃っていないため、推測による解説は掲載していません。データが揃い次第、順次公開します。個別のご相談はお問い合わせよりお願いします。
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