DO(溶存酸素)とは|水に溶けた酸素の量を示す水質指標 水の中で何が起こるかは、酸素が決めている。
DO(Dissolved Oxygen = 溶存酸素)とは、水に溶け込んでいる酸素の量を示す水質指標です。単位は mg/L(=ppm)。この数値がどこまで下がるかによって、同じ水の中で働く微生物の種類が入れ替わり、臭気・水質・生き物の状態が変わります。
DO(溶存酸素)とは、水に溶けている酸素の量。
DO(溶存酸素)は、水中に溶け込んだ酸素の量を表す水質指標です。英語の Dissolved Oxygen の略で、単位には mg/L(1リットルの水に何ミリグラムの酸素が溶けているか)を用います。ppm と表記される場合も、淡水ではほぼ同じ値として扱われます。
水の中に酸素が「ある」か「ない」かは、その水がどんな場所になるかを決めます。酸素があれば好気性微生物が有機物を分解し、二酸化炭素と水に向かう代謝が進みます。酸素がなくなると、代わりに嫌気性微生物が働きはじめ、硫化水素・アンモニア・メルカプタン類・低級脂肪酸といった、いわゆる悪臭物質が生成される代謝経路に切り替わります。
つまりDOは、単なる「水のきれいさ」の指標ではなく、その水の中でどちらの微生物が主役になるかを決める分岐点です。臭気・水質・魚や家畜の状態といった現場で目に見える問題の多くは、この分岐の結果として現れます。
水に溶ける酸素の量には、上限がある。
空気をいくら送り込んでも、DOは無限には上がりません。その水温・その塩分濃度・その気圧で、溶け込める量の上限(飽和溶存酸素量)が決まっています。
※ 一般的な水質工学の標準値としてよく用いられる概算値です。海水では塩分の影響で淡水より約20%低くなり、標高が高い(気圧が低い)場所でも低くなります。
夏に問題が起きやすい理由
この表からわかるのは、水温が上がるほど、水は酸素を抱えられなくなるということです。一方で、水温が上がると微生物の活動は活発になり、酸素の消費速度は増えます。供給の上限が下がり、需要が増える。この2つが同時に起こるため、夏季は同じ設備・同じ運用でもDOが下がりやすく、臭気やヘドロの問題が表面化しやすくなります。
逆に冬季は、水が酸素を抱えやすい代わりに微生物の活動が鈍くなるため、分解そのものはゆっくり進みます。同じ現場で同じ装置を使っていても、季節によって変化の速さが違うのは、この温度依存性によるものです。
DOが下がると、水の中で何が起きるのか。
酸素が足りなくなった水では、働く微生物が入れ替わります。現場で問題として認識される現象は、ほとんどがこの切り替わりの後に現れます。
悪臭物質が生成される
硫化水素・アンモニア・メルカプタン類・低級脂肪酸などは、いずれも酸素のない環境でしか進まない代謝の副産物です。酸素が届かない場所がある限り、そこが臭気の発生源になり続けます。
分解が止まり、堆積する
好気的な分解が進まない場所では、有機物が分解しきらずに残ります。槽の底に溜まる汚泥、水面に浮くスカム、養殖場の海底に積もるヘドロは、いずれも「分解されずに残ったもの」です。堆積が厚くなるほど内部は酸素が届かない状態になり、悪循環になります。
生き物への負担が増える
水中で呼吸する生き物は、水に溶けている酸素をそのまま利用します。一般的な目安として、養殖魚ではDOが5mg/L前後を下回るとストレスがかかり、さらに下がると摂餌不良や活性低下につながるとされます。局所的に酸素が届かない「よどみ」があると、その周辺だけ条件が悪化します。
大事なのは平均値ではなく、どこにも「酸素の切れ目」がないこと。
DOを1点だけ測ると、その水槽全体が同じ状態であるように見えます。しかし実際には、水面近くと底、装置の近くと隅とで、DOは大きく違うことがあります。平均値としては十分な数値が出ていても、酸素が届かない領域がひとつ残っていれば、そこが臭気と堆積の発生源になります。
そのため、現場で意味を持つのは「平均していくつあるか」ではなく、どこを測っても酸素が切れていないかという空間的な均一さです。BOリアクターの設計が、酸素を溶かすことと同時に「その水を運ぶ」ことを重視しているのは、この点に理由があります。
社内検証:DOの空間均一性を比較した実験
90Lの塩素除去市水に池の水10Lと有機たい肥450g(大豆+鰹)を入れた同形2槽を用意し、一方に「BOリアクター」、他方に「BO筐体のみ(セラミック担体を抜いたもの)」を設置。同量の曝気(30L/60sec)で開始した後、静置 → 再曝気 → 曝気なしで棒による静かな攪拌 → 別槽へ移送、と条件を段階的に変えて、水面・中間・底の3点でDOを測定しました。
BOリアクターを設置した槽では、分解初期から泡が細かく、8日間の静置後に再曝気した際も小さな泡で済みました。対照槽は静置前と同じ大きな泡を再発しています。曝気を止めて棒でゆっくり攪拌するだけの段階でも、BO設置槽は水面・中間・底のDO値が収束する(=差が縮まる)のが早い傾向を示し、さらに処理水を別槽へ移送した後も、同様の傾向が維持されました。
ただしこれは社内での比較実験に基づく観察であり、第三者機関による検証や、査読を経た研究成果ではありません。現場条件が変われば結果も変わり得ます。実験条件と経過の詳細は技術解説ページの検証実験に掲載しています。
DOを測るときに、気をつけたいこと。
DOは条件によって動く指標です。1回の測定値だけで判断せず、同じ条件で繰り返し測ることで、初めて比較できる数字になります。
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深さを変えて、複数点で測る
水面付近・中間・底の少なくとも3点で測ります。1点だけの測定では、酸素が届いていない領域を見落とします。特に汚泥が溜まりやすい底部は重要です。
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同じ場所・同じ時刻に測る
DOは日中の水温変化や、曝気の稼働状況によって動きます。導入前後を比較したい場合は、測定地点と時刻を固定した定点観測が前提になります。
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水温も一緒に記録する
飽和溶存酸素量は水温で変わるため、水温を記録していない DO値は解釈できません。「DO 6.5 mg/L」だけでは、それが良い状態なのか判断できません。
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飽和率(%)と併せて見る
その水温での飽和量に対して何%まで溶けているかを見ると、季節をまたいだ比較ができます。mg/L の絶対値だけを追うと、冬に良く見え、夏に悪く見えます。
酸素を「溶かす」ことと、「運ぶ」ことを、ひとつの装置で。
BOリアクターは、水を媒介として酸素供給を効率化することを目的とした水処理装置です。装置の内部で多孔板(旋回羽根付き)が空気と水を接触させて酸素を溶け込ませ、生まれた回転水流がその水を装置の外へ送り出します。さらに内蔵したセラミック担体が、好気性微生物が定着して働くための場所を提供します。
この構造の狙いは、DOの数値そのものを高く保つことよりも、酸素を含んだ水を現場の隅々まで行き渡らせることで、酸素の切れ目をつくらないことにあります。そのため、水が動く場所であることが前提になります。海・河川・配管内など水が自然に動いている環境では外部動力を必要とせず、貯水槽など水が動かない閉鎖環境では外部エアブロワと組み合わせて運用します。
FAQ
よくあるご質問
DOとは何ですか?
DOはどのくらいあれば良いのですか?
なぜ夏になるとDOが下がりやすいのですか?
DOとBOD・CODの違いは何ですか?
BOリアクターを設置すれば、DOは必ず上がりますか?
References