水

​「水つくり」開発ストーリー
水物語その34 養豚場での事例②

早速、養豚場オリジナルの液肥つくりに

取り掛かりました。

家畜の尿を使用した液肥つくりは

以前に北海道の牧場で

成功した経験がありましたが、

今回は「水つくりMZリアクター」という

新しい装置を使っての製造です。

 

「オリジナル液肥」は

その養豚場で育つ豚たちへ飲ませるための、

いわゆる「地産地消の自然肥料」です。

豚たちの体への良い効果はもちろんのこと、

場内にも変化が出ます。

この効果の現れ方は

現場の環境によって実に様々であり、

簡単には説明できないのが悔しいところです。

大事な豚たちに飲ませるには、

まず原料となる尿から大腸菌などの

雑菌類がいなくなるまで

十分な発酵処理を行わなければいけません。

その為には発酵のレベルを

三段階にわける必要がありました。

大きな3つの水槽を用意し、

それぞれにMZリアクターを吊るして

エアーレーションをします。

第1槽での発酵が一定のレベルになったら

その3分の1を

第2槽に移し満杯になるまで貯めていきます。

満杯になった第2槽で十分に発酵させたら、

その3分の1を今度は第3槽に移します。

第3槽でも発酵を続け、

大腸菌が検出されなくなったら出来上りで、

ようやく飲み水に混ぜることができます。

第3槽で出来上がった液肥は、

豚たちへ飲ませるだけでなく

堆肥を完全発酵させたり、

田畑の土壌を改良したり、

作物に直接噴霧して

病害虫の駆除などにも使えます。

取り掛かったのが昨年、

2020年11月の末。

「気温が低いから出来上がるまでは

半年位かかるのでは」

というのが製造担当Nさんの予想でした。

1トンタンクに尿を満たして

エアーレーションを始めると、

いきなり良い泡が出始め

「これなら2週間ぐらいで

最初の第2槽移しが出来るかもしれない」

「だとすると来年の3月には出来そうだ」

と話し合いました。

Nさんは3日置きに養豚場へ通い、

発酵具合を確認しては

第1層から第2層へ、

第2層から第3層へと移してくれました。

そのおかげもあり、

なんと予想よりも1ヶ月も早い2月には

「出来上がりました」と連絡がきたのです。

私が「大腸菌は?」と聞くと、

Nさんは「いません。」と笑いながら言うので

どうしたのか尋ねると

「オーナーは待ちきれずに、

今朝飲み水に入れたらしいです。」

とのこと。

オーナーは毎日帰ってくると

自分で舐めて確かめていたそうで、

この電話をくれた前日に

飲ませることを決めていたのです。

 

育成豚舎には1300頭の豚が居て、

1日で約9000リットルの水を飲みます。

まずはその1000分の1の

9リットルを3回に分けて加えるように、

とNさんへ伝えました。

効果が現れるスピードは

これまでにない早さでした。

これは50年間、

豚達の細かい観察を重ねてきた

オーナーの現場判断力が大きく影響しています。

一番の問題であった前が見えないほど

飛び交うハエ問題も

液肥の量を増やしたことで

「ゼロではないけど、ほとんどいない」

という状態にまでなり

夏を乗り切ったのです。

様々な防虫剤を使っても

ハエ達が進化してしまい、

また新たな薬剤を購入し…を繰り返し、

毎年莫大な経費がかかっていたそうですが、

自作の液肥が一番効果的という

結果になりました。

そして「出荷が早くなったよ」との報告。

出荷体重の100kgになるまでの日数が

短くなったというのです。

「これまでの日数置いたら

体重オーバーしちゃってさ。市場で怒られたよ」

とうれしい悲鳴。

日数短縮というのは

養豚経営にとってはとても重要なことなのです。

養豚業にとってエサ代は最大の経費、

その経費が日数が短くなった分だけ減るのです。

またしばらくすると

「堆肥もまったくくさくなくなったよ。

液肥は凄いね」

との電話をいただきました。

いつも配達している農家へ堆肥を持っていくと

脇を通った小学生たちが

一人もくさいという態度をしなかったとのこと。

「堆肥が臭くないと嬉しいんだよね。

豚が高く売れるより嬉しい。」

と弾んだ声での感想。

「さすがですね!」と私も満足でした。

 

様々な効果が出る中で、

このオーナーが最も驚いたのは、

ハハ豚の出産数が増えたことです。

それまでは1頭のハハ豚から生まれるのは

大体11〜12匹、

どうしても未熟で生まれてしまうのが

2〜3匹いるので

育っても10〜11、というところでしたが

液肥を加え始めてから

なんと出産数は15匹に増え、

全匹元気で生まれるようになったのです。

ハハ豚の乳房は14ですから、

それ以上の子豚の出産が続いている状況。

これは予想以上の成果で、

乳房の数以上の子豚は

「里子に出している」とのこと。

そうなった理由について、

オーナーは

「液肥、液肥っていうけど、

あれは液肥じゃないね。

肥料じゃなくいのちの水だね」

オーナーの素直で細やかな観察力と実行力が、

生命力を高めるための自然原理を

つきとめたのでした。

自然から見れば、

豚だけが大量に密度濃く生きている状態は

古来からある状態ではありません。

そして人工処理を行なった水では

どうしても腐敗系に偏って

悪臭とハエが発生します。

密状態で家畜を飼うには、

自然の山にある「ぬたば」がつくれる水に

しなければならないというのが

私の考えでした。

自然の山にある「ぬたば」は

動物が傷ついたり体調が悪くなったときに

浸かりに来る

どろどろのちいさな沼のことです。

「ぬたばに浸かっていると天敵でも襲わないよ」と山の猟師に教わって

見に行ったことがありますが、

そこにだけ特別の水が染み出ていました。

自然のそのしくみを知っていた昔の日本人は

「肥えツボ」つくりを

全国で行っていました。

「肥えツボ」の出来の善し悪しが

農作物の出来不出来に関わるので、

良い「肥えツボ」作りを競っていました。

今は絶えてしまった「肥えツボ」つくりを、

水物語その6で紹介した

内水博士が新しい技法で復元されましたが、

水つくりリアクターは

その技法を進化させ

さらに効果が高くなることを

オーナーとNさんのおかげで実証できたのです。

2019年5月28日 最初の訪問

養豚場1.jpg
養豚場2.jpg
養豚場3.jpg

​オーナーとNさん

養豚場4.jpg

​2019年11月29日 液肥づくり初日

養豚場6.jpg

​オーナーと弊社社長(惣川修)

養豚場5.jpg

​2019年11月29日 液肥づくり初日

養豚場7.jpg

​2019年12月23日

​第二槽 泡が切れている

​CDが17.21mv

養豚場8.jpg
養豚場9.jpg
養豚場10.jpg

​2020年1月27日

養豚場11.jpg
養豚場12.jpg

​PH 9.20 CD12.66

養豚場13.jpg

​2020年2月11日

画像1.jpg
画像2.jpg
画像3.jpg