水

​「水つくり」開発ストーリー
水物語その35 ベトナムでの事例①

2005年の夏。

水つくりの技術を高く評価してくれていた

印刷会社オーナー N氏の依頼で

ベトナムに行きました。

彼は本業の傍ら、

発展途上国への農業支援グループに

所属していました。

その活動の一環で、

ベトナム農家へのプロジェクトを立ち上げたので

水つくりの技術をぜひ活用したい、

とのことでした。

海外での結果を見られることも

なかなかないので、

二つ返事で承諾しました。

そして連れていかれたのは

南北に長いベトナム北部、

首都であるハノイ近郊に住む、

個人農家でした。

案内された屋敷と畑は、

ぐるりと高い土の塀で囲われていました。

周りも同じような屋敷が続いていたので、

同行の通訳さんに理由を聞いてみると、

「野菜ドロボーよけ」と、

さも当然のように教えてくれました。

なるほどなぁ、と思いながら、

私は高く囲われた塀の中へと進みました。

まずは、畑の土の状態をチェックします。

良い土とは、作物が育つ分の水分を保ち、

通気性と水はけがいい状態をさします。

良い土は触ってみるとふかふかと柔らかく、

べたつきもないものなのですが

案内された畑の土はガチガチ。

原因は、

長年使い続けてきた農薬と化学肥料でした。

詳しく話を聞くと、

出荷先である中国とロシアからの指示で

農薬と化学肥料を強制的に使わされており、

使い始めの頃は良かったが、

近年は作物の出来が悪いとのこと。

農家の方へ自然の堆肥について尋ねてみると、

首をかしげるのみ。

元の環境を大きく変えるところから

始めねばならないと感じた私は、

作物のためには、

まず土を作り直さなければならないこと、

それにはまず、水を変えて、

土を柔らかくするための

自然の堆肥を作ることから始めないといけない、と農家さんへ伝えました。

通訳さんを通しての会話になるので

理解してもらうのに

なかなか時間がかかりましたが、

なんとか納得してもらいました。

このあと、同じような状況の農家を3軒回り、

同じ説明を繰り返すという、

なかなかハードなスケジュールをこなし、

この日は終わりました。