水

​「水つくり」開発ストーリー
水物語その42 プロの現場から~刀鍛冶職人①~

今回からは水を使うことを専門にしている、

プロの職人の方々の現場で起きたことを、
いくつかご紹介します。

 

これまでご紹介してきました

「水つくり」で処理した水を、
色々な分野の専門職人が使ったら

どんなことが起きたか・・・・

最初にご紹介するのは「刀鍛冶」。
 

もちろん刀は作りませんから、
刃物、包丁や、刃のある道具を作る

鍛冶屋さんの所で起こったことです、
 

鍛冶屋さんで使う水は真っ赤に焼けた刀身を

ジューッと入れる水で
「鍛冶水(かじみず)」と呼びます。


鍛冶水は1月の大寒の日に

山の湧き水や神社のご神水を汲んできて

作ります。
作るというのは、鍛冶水桶に満たした後、

赤く焼いた鋼を何度も入れて、おさめるのです。
おさめどころは、鍛冶師の経験と勘です。

 

群馬県のいわき市で鍛冶屋を営む

「鈴木康人(ヤスヒト」さんは

「水つくり」を付けて、
直感で「いける」気がして

鍛冶水つくり作業をしないで

水つくりの水でそのまま打ったら、
「青みがかった

何とも言えない包丁ができたんですよ。」

と電話が来ました。


”刀身が青い刀”のことは

剣豪小説に出てくる”幻の名刀”の呼び名で

私の耳に残っています。
「見たいなー!」と言うと

「来月に埼玉の入間で展示会がありますから、
何本か持って行きますよ」とのこと。

翌月、埼玉県の入間の展示会に行って、

現物を見ました。
 

実に優しい刃金と形です。
 

青味が解り易いように、以前の肌身が黒い包丁と比べて写真を撮りました。
(※左が水つくりの水で打ったもの。

右は従来の水で打ったものです。)

刀鍛冶①.jpg

私の最初の感想は

「これで切られたら痛くない!」でした。
右手に持って左腕をスーッと切っても

痛くないだろうと感じたのです。
どうしてこの違いが出るのかは解りませんが、
道具としての「品格」は

特別なものだという感じがしました。
 

「私も1本欲しいなー」と私が言うと

「どんなのがいいですか?」と鈴木さん。
 

実は、と話したのが
「私は小学2年生の時から

「肥後乃守(ヒゴノカミ」と言う小刀を

持っていました。
当時は、みんな持っていたと思います。
毎日履く草鞋(わらじ)つくり、鉛筆削り、

竹とんぼなどの竹細工、木で遊ぶ道具、
将棋の駒なども作りました。

だから、ほとんど毎日砥石で研いでいました。
ただ、その時使っていた肥後乃守の小刀は

無くしてしまったので、

またいつか欲しいとずっと思っていたんです」

 

鈴木鍛冶師は「どんなことに使います?」と

聞きます。
「先ず野菜、くだもの、木も竹も削るなー、

とにかく刃物を身に着けていたい」


「わかりました」と言ってくれ

作ってくれることになったのですが、
実際に届いたのはなんと3年後でした。

 

それがこれです(以下写真)。

刃渡り12センチの片刃。握りはビワの木で藤蔓(ふじづる)仕上げ。
最近はぬか漬け野菜を毎日切っていますが、

スーッ、スーッと切れて、キュウリもナスも

痛がっていないと感じます。

刀鍛冶②.jpg