水

​「水つくり」開発ストーリー
水物語その38 ベトナムでの事例④

私をベトナムへ誘ったNさんは、

とにかくベトナムが好きで、

3ヶ月に1度は現地へ行き

ビジネスを起こしているようでした。

ベトナムでの現地農家への指導を終えて

しばらく経ったある日、

重そうな荷物を抱えてNさんが訪ねてきました。

 

その荷物の中身は「海ぶどう」でした。

私は海ぶどうを見るのが

そのときが初めてでしたが

Nさんに薦められるがままに口へと入れると

そのプチプチした食感に

すっかりはまってしまいました。

 

しかし、なぜNさんが重たい海ぶどうを

持ってきたのか尋ねると

「リアクターのおかげ」だというのです。

実はこの海ぶどう、ベトナムで放置されて

ヘドロまみれの状態だったエビの養殖池を

水つくりリアクターで水質改善させて

新たに養殖したものだったのです。

Nさんによると

エビの養殖池はだいたい100メートル四方の

広い池で深さは60~70センチ。

エビが育たなくなって捨てられた池の底には

エビの代謝物と餌が腐って10cm程の

ヘドロが溜まっている状態だったそうです。

池には海側と陸側で

それぞれ水路が作られており、

海側からは海水が、

陸側からは真水が流れ込むようになっていて、

海水は潮の満ち引きで池に入る量が変動するので

真水が入ってくる陸側の流れ込み口に

リアクターを吊るしてみたとのこと。

すると、2ヶ月でリアクターの周りの

ヘドロが無くなっており

池の底に溜まっていたヘドロも

リアクターの周辺10メートルでは

見当たらなくなっていたそうです。

 

さらにその2か月後。

ヘドロはどんどん消えていき

とうとうサンゴや小魚が見えるようになり、

潜って泳いでも

臭くないレベルにまでなったのです。

それならば試しにと、

Nさんは沖縄の海ぶどうを

植え付けてみることにしました。

すると環境もぴったりだったのか、

たった2ヶ月で大粒になった海ぶどうが

池一面に広がり

池の水は更に透明度を増し、

綺麗になっていたのです。

Nさんと同じ活動を行うOさんは、

これはビジネスになると判断し

池のそばに仕事小屋を建て、

リアクターを入れた2トンタンクを設置し、

池に入れる用のきれいな淡水を作り、

海ぶどう養殖の準備を進めました。

ベトナムは夏の盛りになると

太陽の熱がとても強く、

池水の温度が上がり

せっかくの海ぶどうが煮えてしまうので、

巨大な池全体に遮光幕(しゃこうまく)を

張り巡らせたりと

なかなか大変だったようです。

汗水流しておこなった準備が功をなして

海ぶどうは順調に育ち、

現地の市場に出したら

とても好評で迎え入れてもらえ、

それならばと輸出の申請手続きをしたら

すんなり通ったので、

その第1便で届いたのが私が食べた

この「海ブドウ」だというのです。