水

​「水つくり」開発ストーリー
水物語その30 子どもに教わったこと②

その2,全身アトピーの0歳児の場合

それは1998年の4月、

水つくりを設置するために

川崎市のお宅に伺った時が始まりです。

 

1週間前に下見に来て設置場所の確認をした時は

外でお会いしただけでしたが、

水道業者が工事をしている間、

私だけ中へ通されてお茶を出してくれました。

 

ダイニングの椅子に座って奥の部屋を見ると

畳の上に小さな布団が敷いてあり

小さな赤ちゃんが寝かされていました。

尋ねると6か月になるとのことでしたが、

あまりに小さく感じるので、

傍へ行って覗き込んで

「抱っこしてもいいですか」と尋ねると

「良いですけど、血が付きますよ」。

生まれた直後からのアトピーで

全身にカサブタができ

顔を動かすとカサブタが剥がれて血が出るので

枕で挟んで動けないようにしているとのこと。

 

抱き上げると

両手を広げて持てるくらいの小ささで

体重も驚くほど軽い。

私は手のひらに気を込めて

体の中の動きを感じ取ろうとしました。

テレビ番組「野生の王国」の取材の時、

自然の森の中で生き物の気配を

読み取ろうとしていた時の感じを

思い出していました。

2,30分ぐらい経ったとき、

赤ちゃんの中がググッと動いたなと感じた瞬間

ブリッという排泄音と足を突き上げるのが

同時に起こりました。

音を聞きつけた母親がすぐに来て、

下してオムツを替えにかかりましたが、

その臭いは激しいものでした。

オムツの始末をしながら母親が少し緊張して

「こんなのはじめて」とぼそっと言いましたが、

再び私が抱き上げるのを黙って見ていました。

私は座り込んで同じように抱きながら

両手の指で背筋をソーっと撫でていると

だんだん足が伸びて動いて

骨盤が広がってきてまたブリッと出ました。

 

前ほどではない臭いでしたがオムツを替えて、

また抱き続けていると、

今度は背中を反り始めました。

その力は強く、したいようにしてあげようと

従っていたら、

左の腕に反りかえって

ぶら下がる形になってしまいました。

その様子があまりに気持ち良さそうなので、

母親と顔を見合わせて微笑んでしまいました。

 

工事業者が「終わりました」と告げに来たので、

赤ちゃんを布団に戻して、通水確認をしまして、

業者さんには先に帰ってもらいました。

赤ちゃんを見ると、

布団の上で横向きに反りかえって

気持ちよさそうにしていて、

母親の方もうれし気でしたので、

「水が変わったのだから、

お湯を飲ませてみましょうよ」と言うと

母親もすぐに支度しました。

 

母親が赤ちゃんを抱いて

哺乳瓶のお湯を飲ませ始めると、

その飲みっぷりの強いことに

母親も涙ぐんでいました。

 

私が

「本人がこんなに動きたがっているのだから、動かして上げてくださいよ。カサブタが剥がれて血がついても良いじゃないですか」と言うと

母親は目を赤くして何度もうなずいていました。

 

それから3か月後の7月。

夫婦で見てもらいたいと

赤ちゃんを連れて来られました。

 

見事に9か月の大きさに育って、

顔には薄いシミがありましたが、

カサブタはまったくありませんでした。

 

聞くと、あの日から母乳をやめて人工乳にした。

理由は、自分にもアトピーがあり

薬で抑えていたのがこの子に行ったと

分かったからとのこと。

そして更に3か月後の11月、

1歳位の誕生月に再び揃って来訪されました。

その時の写真がここにありますが、

健康で元気バリバリの1歳児です。

翌年の年賀状も一緒にありますが

「水つくりに出会えて本当に良かったです!」

と書かれています。

2つの小さな子どもたちの事実が教えてくれた

最も重く大きなことは、

いのち本来の力がどんなに強いものであるか

ということ、

そして、今の水状況が、

いかにその力を歪め抑え込んでいるか

ということです。

いのち本来の力を抑え込んでいた水が

良くなったので本来の力が働いて

状況が良くなった。

本人と周囲は水のお陰だと感じていますが、

それがなかったら起こらなかったという意味で、

本質はいのちの力と本人の意欲だと思います。