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水物語その80 森を育むエゾリス

私たちは事前打ち合わせで決めたルールに沿って

撮影を進めていきました。

足繁く通ったかいがあり、

エゾリスが一面に積もった雪の中へと潜って

どんぐりを見つけてくる様子は沢山撮影できました。


冬が終わると、次は6月。

弱った木々が倒れ、空が広がった場所で育つ実生の撮影。

鈴木さんが事前に良い撮影ポイントをチェックしてくれていました。

まず撮り始めたのは、芽吹いて1〜2年の実生です。

まだどんぐりの実が根っこに付いており、

掘り出すと種が付いていました。

次に、周辺の倒木の撮影です。

ある1本の木の幹を鈴木さんがノコギリで切り、

年輪を数えていきます。

直径は20cm程度でしたが

なんと樹齢は150年以上もありました。

鈴木さんは「こいつも苦労してきたんだ」と

切り口をなでながら言いました。


9月の末になると、

いよいよ熟れたどんぐりの実を「植える様子」の撮影です。

鈴木さんの話では、

「ある日、何かに取り付かれたように植えまくる」とのことで

鈴木さんとスタッフみんなで予想日をたてながら準備を進めました。

エゾリスも私たちの存在に慣れていたのもあり、

「植える様子」は無事に撮影することができました。

木の上でどんぐりを口にくわえると

降りてきてすぐ近くへ埋め、

ちょこちょこっと落ち葉を被せる姿は

本当に「植える」という表現がビッタリでした。

残念ながら鈴木さんが教えてくれた

「取り付かれたように植える」場面には出会えませんでしたが

冬に深みのある雪の中から、どんぐりを見つけてくるのは

これのおかげなのだろうと思います。


これはエゾリスに見られる特徴で

同じリスのシマリスもどんぐりを食料としていますが

巣の中に運んで蓄えてしまいます。

エゾリスは自分たちだけではなく、

林と共に生き、育っている動物なのです。




雪の中からどんぐりを掘り起こすエゾリス

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どんぐりを食べる様子

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1〜2年目の実生

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年輪を数える鈴木さん

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どんぐりを「植える」様子

2枚目は落ち葉を被せている様子

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