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水物語その92 良質な堆肥の条件

畜産の現場で堆肥を作るには

CとN、炭素と窒素の混ぜ合わせる

比率が重要であることを前回お話しました。

CとNの比率、いわゆるC/N比の基準値は30です。

この数値の出し方はCである炭素を

Nである窒素で割って計算されるもので、

例えばある有機物に炭素100g、窒素10gが含まれている場合、

この有機物のC/N比は10となります。

畜産業界では、質の高い堆肥を作る数値として

C/N比が30、そして水分を65%にすることが

必須条件であると知られています。

しかし、原料となる牛・豚・鶏のフンに

どれだけN=窒素が含まれているのか、

はっきり調べていないところがほとんどです。

動物たちの体調に合わせて毎回計測し、

比率を計算するというのは、日々の実作業の中では難しく

だいたいこんなところだろうで作業しているのが

実情のようです。


特に重要なのが、65%の水分です。

この「水」が一体、どういう水なのか。

九州の実績のある農業指導者は

「酸化還元電位が+200以下の水でないと良い醗酵をしない」

と言い切っていました。


酸化還元電位とは

酸化させる力と還元させる力の差を

電位差で表した数値のことです。

この数値が高いほど酸化力が強く、

低いほど還元力に優れていることを表します。

+100ミリボルト以下の水は名水とされています。

ところが、日本中の畜産現場で使われる地下水や農業用水は

酸化還元電位が+300以上、+500から+600のところさえあります。

そんな水では堆肥がうまく醗酵しないため、

腐敗系の分解細菌が働いてしまい、悪臭とハエが発生してしまいます。

畜産業で良い堆肥を作るには

CとN、炭素と窒素の比率をしっかりつくることと

酸化還元電位が+200ミリボルト以下の水が必要なのです。

今まで紹介してきた畜産の現場でも

元々の水の数値は+300以上がほとんどでしたが

その水を水つくりリアクターで処理をすると

数値は+100〜+200ミリボルトまで下がりました。

材料の割合を変えてみたり、

資材を変えたりなどと、いろいろと試していても

上手くいかない理由は「水」にあったのです。

紹介した通り、水つくりリアクターを設置したあとは

見事な結果が出ています。


「水だけでこんなことってあるのかね!?」

これは、以前に紹介した山下養豚のオーナーの口癖です。

水つくりを設置してから毎日、

豚舎での変化を電話で教えてくれながら

驚きの声と共にこの言葉が続いていました。

そう言いたくなるほど、

様々な努力と苦労を重ねてきたのだと思います。


今回は少し専門的なお話になりましたので、

ぜひみなさんの感想やご意見を聞かせてください。


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