畜産の現場で堆肥を作るには
CとN、炭素と窒素の混ぜ合わせる
比率が重要であることを前回お話しました。
CとNの比率、いわゆるC/N比の基準値は30です。
この数値の出し方はCである炭素を
Nである窒素で割って計算されるもので、
例えばある有機物に炭素100g、窒素10gが含まれている場合、
この有機物のC/N比は10となります。
畜産業界では、質の高い堆肥を作る数値として
C/N比が30、そして水分を65%にすることが
必須条件であると知られています。
しかし、原料となる牛・豚・鶏のフンに
どれだけN=窒素が含まれているのか、
はっきり調べていないところがほとんどです。
動物たちの体調に合わせて毎回計測し、
比率を計算するというのは、日々の実作業の中では難しく
だいたいこんなところだろうで作業しているのが
実情のようです。
特に重要なのが、65%の水分です。
この「水」が一体、どういう水なのか。
九州の実績のある農業指導者は
「酸化還元電位が+200以下の水でないと良い醗酵をしない」
と言い切っていました。
酸化還元電位とは
酸化させる力と還元させる力の差を
電位差で表した数値のことです。
この数値が高いほど酸化力が強く、
低いほど還元力に優れていることを表します。
+100ミリボルト以下の水は名水とされています。
ところが、日本中の畜産現場で使われる地下水や農業用水は
酸化還元電位が+300以上、+500から+600のところさえあります。
そんな水では堆肥がうまく醗酵しないため、
腐敗系の分解細菌が働いてしまい、悪臭とハエが発生してしまいます。
畜産業で良い堆肥を作るには
CとN、炭素と窒素の比率をしっかりつくることと
酸化還元電位が+200ミリボルト以下の水が必要なのです。
今まで紹介してきた畜産の現場でも
元々の水の数値は+300以上がほとんどでしたが
その水を水つくりリアクターで処理をすると
数値は+100〜+200ミリボルトまで下がりました。
材料の割合を変えてみたり、
資材を変えたりなどと、いろいろと試していても
上手くいかない理由は「水」にあったのです。
紹介した通り、水つくりリアクターを設置したあとは
見事な結果が出ています。
「水だけでこんなことってあるのかね!?」
これは、以前に紹介した山下養豚のオーナーの口癖です。
水つくりを設置してから毎日、
豚舎での変化を電話で教えてくれながら
驚きの声と共にこの言葉が続いていました。
そう言いたくなるほど、
様々な努力と苦労を重ねてきたのだと思います。
今回は少し専門的なお話になりましたので、
ぜひみなさんの感想やご意見を聞かせてください。
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