水物語その87 有機物循環の取り組み②

更新日:7月7日

Nさんからの嬉しい報告電話を受け、

後日、大村商事へ視察に伺いました。


当日は、大村社長の案内のもと

現場を順番に見て回りました。

私がまず驚いたのは

回収した野菜くずをジュースにする作業を行うエリアでの

悪臭が無くなっていることでした。

何を変えたのか聞いてみると

集めてきた野菜くずを洗う時に使う水が変わっただけだというのです。

生ゴミのなかにはプラスチックゴミやスプーンやフォークなどの

金属類が混入していることがあります。

これらは堆肥にできないので、

ホースからでた水で洗いながら仕分けるという工程があり、

この水が水つくりの水に変わっただけで

消臭剤などは一切使ってないのだそうです。

前回の視察時にNさんと話していたところで

見事に効果がでたのです。

さらには、収集車を水つくりの水で洗うとゴミのにおいが消え、

だんだんと工場全体からも悪臭がしなくなったとのこと。

収集車を運転する作業員の方も、悪臭が消え

作業時のツラさがなくなりとても喜んでいると

社長も嬉しそうに教えてくれました。


次に向かったのは

ジュース化した野菜くずと木くずの撹拌作業を行うエリアです。

箱型トラックの荷台を車から下ろして特大の容器として使い

中に原料をいれ、ショベルカーで撹拌作業を行なっていました。

この方法で毎日2トンもの野菜くずを処理しているそうです。

もちろんここでも悪臭はほとんどありませんでした。


いよいよ発酵場へ案内されました。

前回も書いたようにこの発酵の作業が、

一番難しく、悪臭も強くなります。

体育館のような発酵場の扉をあけて入るなり、

私は思わず驚嘆の声をあげてしまいました。

前回訪れたときには3mほどの高さまで積み上げられていた堆肥が

発酵して2m程度まで低くなり、

その山の表面全体に白い放線菌がびっしりと付いていたのです。

差し込まれている温度計を見ると、なんと80度もありました。

どういうことかと簡単に説明すると

放線菌とは農業における非常によい働きをしてくれる微生物で、

内部が80度もの高温状態になっていると、

病原菌、寄生虫の卵や雑草の種はほとんど死んでしまい

微生物として強いものしか生息できない状態なのです。

前回よりも明らかにレベルの上がった

良質な堆肥が出来上がっていたのです。

こうなると、悪臭はなくなり土の匂いがするようになります。


素晴らしい成果に感動していると、

すぐ近くに作業制服を着た二人が

帽子を両手で握りしめ立っていました。

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