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水物語その73 オジロワシの遊び

夏のあいだ、シベリアで暮らしているオジロワシは

冬になると魚のいる河が凍ってしまうので

南へと流れ出る流氷に乗って北海道の東にやって来ます。

その数は4000羽〜5000羽とも言われ、

知床は極東で最大の越冬地になっています。


番組では、そのオジロワシが冬の間にどんな生き方を

しているのかを紹介しました。

なんと、ほとんどの時間を

他の鳥や動物たちと遊んでいたのです。

例えば、

カラスの子どもたちがオジロワシに

「遊んで!遊んで!」というかのようにまとわりつくと

「よーし!」とばかりに、林の中から大きな木の枝を足で掴み、

高く高く舞い上がります。

カラスの子どもたちがその枝に並んで捕まると

勢いよく落下して林の中を突き抜けます。

カラスの子どもは必死に捕まっていますが次々に手を放します。

オジロワシが向こうの林から出て来ると

「もう1回!もう1回!」とねだるように

カラスの子どもたちがオジロワシの元へ集まってくるのです。

その度にまた同じことを繰り返し、

「はーい、おしまい!」と言うようにオジロワシが

木のてっぺんに止まるとカラスの子どもたちも近くの枝に止まるのです。

私たちはこの遊びを「カラスのジェットコースター」と名付けました。

近くに生息するオオワシはこの遊びをすることはないと言います。


海に近い湖、涛沸湖(とふつこ)は凍ると

地面のように平らになるので絶好の遊び場となります。

オジロワシの子どもたちが集まって

捕まえた魚の取り合いをします。

蹴ったり突っついたり、

まるで長屋の子供たちが集まって

じゃれ合っているかのようです。


湖の氷の上にはキタキツネもやってきます。

自分の縄張りだと威嚇するキタキツネを

オジロワシはわざと少し追わせて、飛び上がり、

またちょっと逃げてとからかうように遊びます。


流氷が消える前の道東、

北海道の知床から北の海に面した地域は

北へ帰る野鳥たちでにぎやかになります。

オオハクチョウが大きな声で群れで

氷の解けた浅い湖の魚を採っています。

そばには美しくてかわいいホホジロカモも群れて泳いでいます。


地元の漁師たちが浅い湖に入って、

ワカサギ漁をするおこぼれに預かろうと

いろんな鳥たちが周りを囲みます。

そんな時のオジロワシは別格で、

真っ先におこぼれを頂くのです。


次回は、オジロワシの珍しい子育ての様子をお話しします。



~野生の王国「舞え!海を抱く大空の王者オジロワシ 知床」から~


木の枝を持って遊ぶオジロワシとカラス


浅い湖にいるオオハクチョウ



自分の首が届く深さなのを知っているので

頭を思いっきり突っ込んでエサをとる


オオハクチョウの群れ


ホオジロカモ


ホオジロカモの群れとオオハクチョウ


オジロワシの子ども。子どもの時は、尾は白くなく、クチバシもグレー。

大人になると尾が白くなり、クチバシも黄色くなる。

カラスが尾の毛をつつこうと遊びに来ている様子。(3枚目)






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