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水物語その67 もう一本の映画

ザイールの村で見た「土」と「水」の力は

私の想像をはるかに超えたものでした。

2つの村での出来事は、

「人と動物のごちゃまぜ共栄圏」と題名を付けてオンエアしました。

実は、このロケは

オカピとカバを撮影するための

ものだったのですが

野生の王国の井口プロデューサーが

「現地でテーマを見つけて

もう1本撮ってきてください」

と一本分の製作費をプラスしてくれたのです。

このおかげで

「人と動物のごちゃまぜ共栄圏」が撮影でき、

プロデューサーから非常に喜ばれました。

ザイールでの経験はいまの水つくり開発に

繋がる道の入り口となりました。

映像制作の仕事を離れるまでに、番組や映画を

全部で120本作りましたが

「人と動物のごちゃまぜ共栄圏」は、

奇しくも100本目の作品でした。

振り返ってみると、全てではありませんが

ほとんどの作品が今の水事業に繋がっていると

感じられます。


映像を撮るためには

多くの費用と時間がかかります。

普通では行けない場所や環境へ身を置いて、

撮影・記録をし、

世の中へ伝えるという特殊な仕事です。

様々な現場を経験し、

たくさんの寄り道をさせてもらい、

最後の水にたどり着いたのだと感じます。

そのひとつひとつが水につながる

糸口であったのではないかと

度々、感じています。

ここからは水にたどり着くまでの

道のりについてお話しします。

まずは、ザイールにもレポーターとして

同行してもらった

竹田津実さんとの出会いは欠かせません。

彼とはそれまでに「野生の王国」で番組を4本、

一緒に作っていました。

「キタキツネの恋と子育てと旅立ち」

「秘境知床・日本でここだけ!サケの自然産卵」

「舞え!海を抱く大空の王者オジロワシ」

「北の森の植林王・元気印エゾリスの四季」

というラインナップで

フィールドは全て北海道です。

竹田津さんと番組をつくる前の私は、

自然や環境の撮影はしてきていましたが、

野生の生きものについては、

ほとんど経験がありませんでした。

現代のようにネットはありませんので

情報を集めるにもとても時間がかかりました。

知り合いの東京シネマ新社という

教育・科学・文化にかかわる映像製作会社が、

平凡社のナチュラルヒストリーを

長年製作をしており、

なんとそこでは昔からの友人である

谷口君がカメラマンを担当していました。

ある日、お酒の席で谷口君が北海道での

撮影現場のことを熱っぽく話しているのを聞いて

「それ今から観よう!」という話になり

東京シネマ新社へ夜中に押しかけ、

朝まで撮影フィルムを映写して

夢中で観続けました。

私にとっては一つ一つが衝撃的で、

これだけの映像を

アーカイブスの資料だけにしておくのは

もったいないと思いました。

彼の撮影した映像には野生の生き物たちが

生きている環境そのものが映っていたからです。

それまでに見た野生動物の映像は

珍しさと美しいことが際立っていて

その場所、その環境に居る意味は

表現されていませんでした。

しかし、谷口くんが向けたカメラの先には

動物たちと、周りを囲う草木の緑と、

そして水があるという

生きものが暮らしている環境の意識が

映っていたのです。

こんなに素晴らしいものを見せてもらった

私にも映像製作者としての火がつき、

東京シネマ新社の岡田社長に

これらの映像を使って

「野生の王国」の番組を作りたいと

申し入れました。

岡田社長は心良くOKしてくれたので、

野生の王国のプロデューサーに提案し、

内諾をもらいました。

但し、番組での解説者を竹田津さんに

出演してもらうという条件が付けられました。

私も同じ考えでしたので竹田津さんの住む

北海道小清水町の自宅を

訪ねることとなったのです。

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