団まりな博士のような生物学のエキスパートに前回のようなコメントを頂くと本当に勇気が湧きます。
次にご自宅に訪問した際に
「大腸菌やサルモネラ菌などの悪玉菌が死ぬのは、どういうメカニズムによってでしょうか?」
とお尋ねしましたら、
「私もそれを考えたのだけど、絞め殺されたのじゃないかな」
とのお返事。
「締め殺された?」
と聞き直し、詳しくお伺いすると、次のような仮説をお話いただきました。
大腸菌やサルモネラ菌やブドウ球菌などのいわゆる悪玉菌類は、体のサイズが善玉菌類に比べて大きいのです。
水分子が連なった網の目が締まると破裂して死ぬ。
それは、目の細かい網の中にピンポン玉を入れてきつく絞ったら破裂してしまうイメージです。
しかし、胞子になって生き残るものもいるだろうが、その構造水の中では菌と言う体を持って生きることはできない。
もちろんこのようなお話はあくまで仮説です。
そのことを確かめる方法もなく、まずは起きた事象をそのように仮説を立てて読み解いていくしかない、ということでした。
ちょうどその頃、水の氷結させた際の結晶を写真に撮ることが盛んに行われていました。
団博士のお話もありましたので、早速、「水つくり」の水を調査を行う研究所に送って、氷結写真を撮ってもらいました。
すると、2週間後に、ランダムに抽出された18枚の結晶写真が送られてきました。
そこにはきれいな六角形をしたものが8枚、六角形になりかけのものが5枚、崩れたものが5枚写っていました。
私はこのきれいな結晶になっている状態の水が、構造化されている水、つまり構造水になっている、と考えました。
18枚のうち13枚の写真がきれいな結晶の形をしているので、比率で見ると約70%が構造水になっていると見てよいと考えました。
つまり瓢箪池で見たように、構造水の比率が70%以上になると金魚などは棲めなくなるのです。
あの摩周湖裏の「神の子池=ポンコロカムイ」の水は恐らく構造水の比率が90%レベルかも知れません。
藻類も発生しておらず、何十年も前に倒れ込んだ木がそのままの姿で沈んでいましたから、
植物を分解する微生物も生息できていないのですから。
日本中の昔の湧水はどこで汲んでも腐らなかったと言われます。
構造水の割合が高かったからと考えられますが、多分60%から70%ぐらいだったのではないでしょうか?
そのような理解でおりましたが、つい最近である2020年、令和2年1月31日に、実に興味深い論文が発表されます。
発表したのは、東京大学生産技術研究所の田中肇教授の研究グループです。
論文の冒頭には次のように書かれています。
「水のさまざまな異常性の起源については、1世紀以上にわたり永年論争が続いてきた。その理由は、液体の水の構造に関する深い理解の欠如にあった。今回、水の構造に関するシュミレーションと実際の水のX線散乱実験データの解析により、液体の水の中には2種類の構造が存在する直接的かつ決定的な証拠を見出した。」
水分子の2種類の構造。
その一つは規則的な正四面体構造をしたものでもう一つは乱れた構造をしたものである。
その2種類の構造を持った水分子が条件によってさまざまな比率になって存在しているのが水の常態であり、その比率も測定することが可能になった、という内容です。
そして、その結果、
「この解明によって、水の基礎的な物理・化学的理解のみならず、化学・生物学・地質学・気象学、応用も含め水に関連した分野に大きな波及効果があると期待される。」
と結んでいます。
この論文が“Journal of American Chemical Society”のオンライン速報版で
2020年、令和2年1月30日に公開され、国際的にも正式に認知されたのです。
私はこの論文を読んで、まさに自分の立てた仮説に通じるものを感じました。
水を構成する水分子の分子構造は、構造化されているものと乱れたもので構成されている、と記しているこの論文は、私がかつて立てた仮説ととてもよく似ていたからです。
この発表を私の仮説に当てはめるならば、これまで私が構造水と呼んでいたものは正式には正四面体構造水である、ということになります。
この論文を読んで、すぐに
「水つくりの水の比率分析をして欲しい」
とリクエストをするFAXを送りましたが、残念ながらまだ返信はありません。
しかし、水つくりの水の「正四面体構造水」の比率が正確にわかる日も近いということでもあり、とても楽しみです。
この水物語ではいちいち「正四面体構造水」と言うのは大変ですから、これまで通り「構造水」と言う呼び方でこれからも話を進めていきたいと思います。
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