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執筆者の写真有限会社シューコーポレーション

水物語その159「土と水の自然学」の取材⑬~処理編~

今回は鶏の血流処理水がどこまで変化したのかのシーンです。


まず、広い総合処理施設の上で現場担当者から一行が説明を受けている様子が映ります。

そこに処理の基本フロー図のテロップが流れます。

「原水→調整槽→第1曝気槽→第1沈降槽→第2曝気槽→第2沈降槽→放流」

 

続いて、処理データが表示されます。

「BOD 原水3,300ppm 放流水 5.0ppm以下

 COD 原水3,500ppm 放流水 10.0ppm以下」


初めて聞かれる方のために説明しますと

BODとは、水の中の有機物(汚れの原因)を

微生物が分解するのに使われる酸素の量のことをいいます。

「生物化学的酸素要求量」 ともいい、

有機物による水の汚れを示すための代表的な指標です。


次に、CODとは化学的酸素要求量という意味です。

これもBODと同じように水の汚れの度合いを表す値として用いられ、

酸化剤(過マンガン酸カリウム)を使用して測定します。


BOD、CODともに数値が高いほどに水の汚れ度合いが強くなります。

テロップに出ているデータでは

どちらも数値が大幅に低下し、水の浄化力が高いことを指しているのです。

次のシーンは、広い施設の一角で

ニジマスを飼っている水槽の前です。


内水先生が

「ニジマスもイワナもサケ科の生き物で

 自然の綺麗な水の中でしか生きられない」

そう話す内水先生はサンプル瓶に入っている調整槽の水のを透かして、

担当者に「BODはどのくらいあると思う?」と尋ねます。

担当者は放流水のBODはいつも測っていますが

最初の調整槽の水を測ったことがないので

「100から200でしょうか、、」と答えます。

内水先生は

「いや、100ないな。調整槽でほとんどの処理は終わっているんです。」

とそのサンプル瓶を理事長に示しました。

その蓋を開けながら

「ちょっと乱暴なことをしますが、ちょっと飲んでみてください。」

と理事長へ差し出します。

差し出された瓶の液を飲む理事長に

「しょっぱくないでしょ。イオン化されたナトリウムもクロームも

 土のキレートが抱いてしまうのです。」

内水先生は続けます。


納得した表情の理事長と一行は高い施設の端へ移動して

大きくて広い放流水プールを俯瞰します。

「最初に来た時、プール全体が腐っていましたね」

理事長さんは「ええ、ええ!」と強くうなづきます。

内水先生は放流水が流れ込んでいるところを指差して

「あそこから、新しい放流水が流れ込んで、

 下に溜まっていたヘドロが土に変わって、

 言ってみれば、自然の沼になっています。」

理事長さんは

「は、はー、なるほどですね。」と頷きます。

<自然の沼になっているプール>


次は、沈降槽から引き抜いた汚泥です。

引き抜き汚泥はスクリーンから剝がされて

トラックの荷台に直接積まれています。

荷台の新しい汚泥を手に取って臭いを嗅ぎ

悪臭がしないことを全員で確かめます。

担当者がこれは堆肥の原料として

地域の農家が引き取ってくれるようになったことを報告します。


<脱水汚泥を運ぶトラック>


そして最後は、長崎さんが理事長に尋ねます。

「2年前に内水先生の指導で改善して、臭いが無くなったわけですが、

 そのほかのことで、何が変わりましたか?」

「汚泥の処理です。処理するのに毎月70万円掛かっていましたが

 今はその半分以下の30万以下です。」

「理事長さんの仕事としては、楽になったわけですね」

「はーい!毎日毎日が悪臭対策に追われて、たまったもんじゃなかったです。」

「それが、開業以来3年続いたわけですね。」

「はーい、お蔭さんで今はどの工場も安心してですね、操業できてます。」

そのやりとりの途中から加工団地の竹輪作りや豆腐つくり作業の

ドキュメント映像が流れ、最後に出来上がった加工製品を積んで

トラックが出て行くシーンで終わります。

 

<竹輪つくり工場>


<出来上がった豆腐が冷されて行く>


<豆腐工場の煮鍋の洗浄作業>


<製品を積んで出てゆくトラック>


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