放流水でイワナが元気に生きているのを確かめた後は
脱水ケーキの堆肥化を見ます。
脱水ケーキとは沈降槽(ちんこうそう)で沈んだ汚泥のことです。
<汚泥脱水装置>

新しい汚泥には既に出来上がっている
堆肥を混ぜて醗酵させています。
その作業を見ながら内水先生は臭いを確認します。
「もう、この段階で臭いはほとんどありませんね」
映像には汚泥と堆肥を混ぜる装置が映ります。
<新しい汚泥の臭いを嗅ぐ内水先生>

<新しい汚泥に堆肥を加える作業>

<脱水ケーキと堆肥を混ぜる攪拌機>

脱水ケーキと堆肥が攪拌(かくはん)されたものは
搬出トラックの荷台に移され
そのまま一次醗酵へと進みます。
トラックの荷台によじ登った内水先生は
差し込んである温度計を抜き
「56度あります。第一次醗酵が始まっていますね。何日目ですか?」
「三日目です。」
「もう放線菌がでてますよ。」
内水先生は堆肥を掻き分け
白い放線菌が出ている塊りを見せます。
<放線菌の出ているのを確かめる>

画面にはこの堆肥が農業高校に運ばれたのち、
二次発酵され、本格的な堆肥がつくられている字幕が入ります。

堆肥を見ながら内水先生は
「これは長期的には喜ばれますし、意味は大きいですね。」と話します。
次のシーンは、長野県豊科町(ながのけんとよしなまち)、現在の安曇野市で町長をされていた笠原貞行(かさはらさだゆき)さんが
雪の中を黒い車で施設へと入って来るところからです。
施設の前で周囲を見回しながら内水先生と町長の会話です。
「町長、実は私、1年ぶりに来たのですが、
住宅がぐるりと立ち並んで様変わりしてます。
そんな住宅のど真ん中で後始末をする施設が
ガッチリとガードを固めて存続していくことは
とても素晴らしいことと思うんですけど、」
「初めにここに施設を作りましてから、後から住宅団地ができて、
公害施設だと言われるんですが。
公害じゃないんです、必要な公共施設なんですから
公害という言葉を無くさなければいけません。
要は臭いなんですから、先生のお陰で臭いがしなくなりまして、
本来の在り方になったんです。」
「向こうがゲートボール場ですね、そして隣が公園。
住宅が取り囲んだその真ん中に
後始末をする施設がある。
ということは完結した小さな社会に
近づいていくわけですよね。」
「周りに植樹をしまして、
施設の名前もグリーンなんとかにして、
公園の真ん中に、この施設の排水を清流として流す、
今は下水に放流していますからもったいない。
夏には盆踊りをして、冬には焚火を炊いて、
イワナを焼いて、皆んなで食べて、楽しく語り合う
アルプスの夜景を見ながら
そんな場所にしたいのです。」
映像は、これからの夢計画を語る町長の声をバックに
周辺の景色を360度ぐるりと映し
アルプスを背景にした施設のシーンで終わります。
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