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水物語その156「土と水の自然学」の取材⑩~処理編~

更新日:5月20日

処理編の最初の現場は長野県安曇野市豊科町です。

町を見下ろした全景の映像にタイトルが出ます。

「名水百選の町・豊科では、

 家庭に設けた浄化槽の汚泥を

 集中処理しているが、その悪臭に悩まされていた。

 1984年の秋から内水博士の指導で

 施設の改善を行い

 現在では悪臭が除去され、

 放流水質も向上している。」


そして、 

バキュームカーが生活雑排水処理場に入ってくるシーンになり

内水さんがこの処理場を最初に訪れた時の話が流れます。

「あれは何年前でしたかね、ここのシャッターを開けた瞬間

 ツーンと鼻が痛くなりました。

 アルファー澱粉を1か月間も溜めて腐った臭いでしたからきつかったですね。

 あの頃は随分苦労されたでしょうね。」


答えるのは、社会福祉課長の北原正幸さんです。

「あの年に周辺の地域が住宅可能地域に指定されて、

 それを可能にするにはあの悪臭を何とかしなければならないということで

 いろいろやりました。

 消臭剤のメーカー3社に来てもらって、

 バキュームカーにあらかじめ消臭剤を入れておいて集めるとか、

 考えられることは全部やったんです。

 しかし、若干の効果はあったんですけどどうしても無くならない。

 それで、内水先生のところへお願いに行ったのです。」

北原さんの当時の細かい苦労話を聞きながら

映像は、家庭の浄化槽の蓋を開けて、縁に付いた腐敗物を落として、

バキュームカーにホースで吸い取る作業、

そのバキュームカーが商店街や住宅街を走る様子を見せます。

 

<各戸に設置された簡易浄化槽から収集する作業>



<バキュームカーは住宅地と繁華街を通る>


苦労話が終わると帰って来たバキュームカーが

施設の地下水槽に集めてきた汚水を移す作業のドキュメントです。

その地下水槽から原液を処理装置に移す

「固液分離装置」=固まった油分と液体を分ける装置の前で

内水先生と現場担当の若い横川卓史(たくし)さんとのやりとりで

ドキュメントは進みます。


<個液分離装置の前で>


内水先生「昨日今日見てますけど、この原水は酷いですね」

横川「はい、飲食店のを集めてくると

   ひと月に2,3度はこういう日があります。」

内水先生「ここまで固まったら普通なら処理不能ですよね。」

横川「はい、培養汚泥をここに入れるとだんだんに溶けます。」

内水先生「臭いもそんなにきつくないですね。」

次に培養槽へ進みます。

内水先生「これが培養槽ですね。」

横川「はい」

内水先生「この培養槽のレベルは良いですわ、この施設の目玉ですね」

<培養槽の様子>



そして、広い曝気槽へと進んだ画面に設備全体のフロー図が流れます。

そのフロー図は

「原水槽から調整槽へ、調整槽から曝気槽へ、沈降槽を経て放流水へ、

その全部に腐植を使った培養槽が繋がっています。」


広い曝気槽の淵にしゃがみ込んで内水先生は

「ここから見ると、全体に薄っすらと緑が入っていませんか」

「入ってますね」との返事に

「この緑が出ると水が生きている」


最後の放流水の映像にデータが表示されます。

「原水のBODが1万~2万ppmなのが放流水で5ppm以下

 原水のCODが7千~1万ppmなのが放流水で5ppm以下」

<処理実績表>



そして、放流水でイワナを飼っている水槽の前で、

この技術の効果と意義について内水先生は語ります。

 

  <イワナが元気に泳ぐ水槽の前で語る内水先生>


先生は角度を変え言葉を尽くして語りますが、要約します。

「いま水温は5度に保たれてイワナが元気に生きている。

 これほど酷い原水をイワナが生きられる水に処理できているということは

 大腸菌を初めとする雑菌類が抑え込まれているということです。

 高い濃度のBODもCODも、 棲んでいるバクテリアをレベルアップすることで

 特別な技術もコストも掛けないで、こういう事実がつくれるということ。

 現代科学のバイテク(バイオテクノロジー)やハイテクを使っても出来ないことが

 できるということの証明であり、

 それは、本当の技術というものの在り方を社会に問うという意義もあると言えます。」

 

 

 

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