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水物語その153「土と水の自然学」の取材⑦~農業編~

更新日:2023年12月1日

次は四国香川県の酪農家の実例です、

香川空港の滑走路から見降ろした牧場の全景にタイトルが出ます。

「三好牧場 香川県香川郡香南町」

続いて牧場の中の映像に

「経営規模 乳牛一貫 100頭

1988年11月12日」のタイトル。

冒頭はバンクリーナーが動くところから始まります。

バンクリーナーとは、牛舎内のふん尿溝に排泄されたふん尿と

汚れをかき集めて搬出する装置のことです。


バンクリーナー


バンクリーナーで集められた糞は堆肥と混ぜられます。


(装置を覗く内水先生)


梯子に上り、装置の様子を確かめていた内水先生が

牧場主の三好さんに問いかけます。

「生糞に堆肥を混ぜて臭いがほとんど無い。

 三好さん、出てきたところでハエはどのくらい寄りますか?」

「濡れている時に小バエが少し」

「大きいハエは?」

「大きいハエはほとんど寄りません」

出来上がった堆肥が積み上がっているその前で

臭いがしない堆肥ができたこと、

畑に撒くのが楽になったこと、

三好さんは実感を込めて語りました。


続いては牛の尿処理を確かめます。

液肥にするため、水槽は何段階にも分かれています。

まずは原尿槽、牛たちが出したばかりの尿を溜める水槽から見ていきます。

この原尿槽は臭い対策も含め、地下に埋め込みで作られており

中の様子見るには、マンホールの蓋を開け覗き込まねばなりません。

通常は顔を近付けられないほどの臭いですが

内水先生は、蓋を開け中へと首を突っ込み

「うん、この段階でもうにおいが無い」と言います。 


尿ダメを覗く内水先生


次の槽は金網で囲ってあるコンクリート製で

中のエアーレーションの状態が見えます。

この時点で既に「ほとんど液肥になっている」と内水先生は話します。


液肥曝気槽


最後の仕上げ槽は、

大きなホーローの水槽で、実は酒つくり樽の再利用です。

汲みだして、二人で代わる代わる指で舐め

「塩っぱくない」「うん、しょっぱくない」と確かめ合います。


仕上げ槽の前で液肥を舐める


最後に、出来上がった液肥を牛舎内でどのように使っているか。

液肥の効果を見るため牛たちのもとへと向かいます。

 

繋がれている乳牛がボタボタと糞をすると、

三好さんはその生糞を素手で掴み、鼻を近付けます。

内水先生も一緒に顔を近付け

「臭いしないとは言えないけど、ほとんどない」と話します。

三好さんは糞をつかんだ手を

ホースから出ている液肥で洗います。

「以前は石鹸で洗ってもこの臭いは落ちなかった。」

と洗った手を嗅ぎ

内水先生も「ぜんぜんしない」と液肥の効果を実感していました。


糞を掴んだ手を液肥で洗う


この変化の引き金となったのはやはり飲み水の改質です。

牧場の水源はすぐ裏隣に昔からある溜池です。


水源の溜池


「四国は中央構造体が走っていて元々水が良くない」

と内水先生も溜池の水の表情について説明しました。


水源の水を水槽に腐植と軽石で水をつくる


三好さんは、溜池の水が入った水槽に

腐植と火山の軽石を吊るして

エアーレーションをさせてから牛たちに飲ませ、

夏場の暑い時には牛舎の天井から噴霧していました。


牛舎に噴霧されるつくられた水



この水を飲み始めた乳牛たちの体内の変化は糞尿に現れ、

現場の悪臭も落ち着いたのです。

 

映像はここで終わりますが、

肝心の三好牧場の牛乳の”質”について説明を加えます。

 

牛乳は農協が毎日集荷していますが

その都度、サンプルを取って成分分析をしています。

項目の中には「体細胞」というものがあり

これは牛の乳房からはがれて出る細胞のことで

頭のフケのようなものです。

人間と同じように健康な牛の乳房からは剥がれる細胞は少なく、

健康状態が悪い牛からは沢山剥がれるということです、

ですので、この体細胞の数値が高いと良くない乳、

低いと良い乳と判定され、

購入値段に差がつけられます。

 

三好牧場の牛乳は、飲み水の改質によって

「体細胞」が大幅に減少し、

価格も上がっていました。

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