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水物語その152「土と水の自然学」の取材⑥~農業編~

更新日:2023年12月1日

次は卵を取る養鶏場です。

鶏舎がオープンになっている全景をバックにタイトルが出ます。

「ヨザワファーム

 茨城県東茨城郡小川町

 採卵養鶏 65,000羽

 育成     20,000羽 」

最初に断っておきますが、同じ名前の養鶏場がインターネットに乗っていますが

経営者が異なる別の会社です。

 

タイトルと同時に内水先生と経営者の上林さんの会話が流れます。

「臭いませんね。こういう天気だと一番臭いが強いはずなんですけど」

「ええ、一番最悪な天気ですね」

撮影した日は、見事な曇天。

ファーム内の舗装された通路にも大きな水溜りができています。

内水先生が上林さんの奥様に声をかけ、

初めて会ったときのことを話しながら

3人は鶏舎へ向かいます。

「あれは、一昨年の夏ごろでしたかね。鶏舎に初めて入って。

それで自慢されちゃったんですよ奥さんに。

『養鶏場の事務所なんて、ハエがすごくて

普通は窓を開けられないんですよ』って」 

 

オープン鶏舎にずらっと並ぶ鶏たちを目の前に

経営者の上林さんと内水先生のやり取りが始まります。

そのままお伝えしようと思ったのですが、

上林さんはニワトリのように早口で、かつ専門用語の連発ですから、

書き起こしをしても難しいと思い、今回は要約もいれながら書きます。

 

まず内水先生は鶏舎の奥へと少し歩きます。

「こうやって入ると、普通は鶏がワッと暴れるんですよね」

「そうですね!でもいまは大丈夫です。鶏が先生に注目してますね。」

動物は普段はいない、いわゆる他人が入ると

興奮して騒ぎたてるのが普通です。

しかし、ゲージ内の鶏たちは特段騒いでいる様子はありません。

2年前の夏に来た時は、ギャギャギャという鳴き声が

鶏舎の奥まで広がっていたようです。

こんな風に落ち着いたのは、

鶏の飲み水に腐植と自然石を吊るしてからとのこと。

「約1か月後、2か月目には今のように落ち着きましたね」

 

ゲージの前には飲み水が流れる雨樋(あまどい)が取り付けられています。

手前から50~60メートルの向こうま水が流れるように設置されており

鶏たちはゲージの間から頭を出して水をついばみます。

このシステムで何より大変だったのは雨樋の掃除です。

くちばしの周りに餌を付けた鶏が水を飲みますから

どうしても餌が水の中に落ちてしまう。

それが腐敗して樋(とい)の底にくっついて

茶色く濁り水の流れを悪くします。

「その掃除が大変でした。1週間に1ぺんやってましたからね。

水を変えてから一切してません。」

「餌の食べ残しが水の中に落ちてもモヤっとするだけで腐敗していかないでしょ」

「しません。やっぱ水が澄んでますもんね。」

被せ気味に話す上林さんに

内水先生が「糞もかわったでしょ?」と聞くと

「固くなりましたね。以前はベちゃべちゃで

いやーもう、夏場はアンモニアの臭いがきつくて、

働いて貰っている女の人の真っ白い長靴がすぐ黄色くなってました。」

とすぐさま答えてくれました。

 

話は、要である卵の出来について。

かつては、1日の産卵率が全体の75~80%だったが

水を変えてからは90%以上になり

さらには、その卵の破卵率、

産まれた卵のなかでも商品にならない卵の比率が

9%代から、4%以下に減ったと驚きの数字が証言されます。

また、鶏舎内の衛生環境と健康保持のため

薬代に年間5~600万円も掛かっていましたが

いまでは水洗いだけで法定のワクチン以外の薬は一切使わなくなった。

などなど次々に語ります。

 

内水先生がこの変化の理由を話します。

「変化の火付け役になったのが

 飲み水を一言で言うと山水なみにしたこと。

 言い換えると飲み水に土の中で生きている土壌菌群が含まれている。

それを鶏が飲むと鶏の体内が

土壌菌を含めて良いバクテリアバランスになる。

健康が増進されると同時に

糞尿も良いバクテリアバランスになる。

この糞尿の中にも土壌菌群が育っている。 

従って、土の上で鶏を飼っているのと

非常に似た環境になっている。

鶏舎全体が平場で飼っているのと

同じような状態になっている。」

 

そして、鶏糞の醗酵が良くなり臭いのしない

良い堆肥が出来るようになっているのを見に行くところで終わります。

 


ゲージの前に設置された飲み水の樋 


ゲージの下の糞は固く、悪臭が無い。表面には白い放線菌が広がっている。


卵はGPセンターで手で仕分けされる。


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