まず、「土と水の自然学 農業編」のタイトルが出ます。
続いて、
「清水牧場 茨城県東茨城郡茨城町
乳肉一貫 100頭
1988年11月10日」
という現場を紹介するタイトル。
最初に登場するこの清水さんは、最初のロケ先でした。
清水さんは酪農家ですが、
田んぼと畑も作っていて、その研究心の強さはまさに
”農業科学者”、昔で言う「哲学農家」そのままの方です。
映像は
「まんず”内水先生のいう腐植”というものは、
本当に効くのか?どんな効果があるのか?
やってみりゃ分かると思って
自分なりのテストをしてみた。」
と、清水さんの茨城弁で始まります。
畑に白菜の種を蒔き、
ある程度育った苗を
それぞれ条件の異なる鉢に移して
育ちの違いを調べたのです。
テスト用の鉢には
ポリバケツや四角い石油缶が
使われました。
それぞれ葉を広げた7つの鉢を前に
清水さんは実験内容を説明します。
まずは、元の畑の土のみで育てたもの。
続いて市販の堆肥を入れたもの、
そして自前の堆肥を入れたもの、
最後に内水さんの提唱する”腐植”を入れた土の鉢です。
”腐植”は粉状なのでほんの一握り上に撒いただけだとのこと。
10日ほど経過すると白菜に青虫が
たかり始めたと清水さんは話します。
そのまま畑で育った元の葉っぱは
青虫に食べられて無くなるので
手で取っていたそうです。
しかし”腐植”を入れた鉢で育った
新しい葉っぱにはまず青虫がたからない。
更に15日ほど経つとアブラムシもたかるようになったが
”腐植”を入れた鉢にはアブラムシもたからないのです。
清水さんは
「先生の言うことは間違ってないなーと見てたら、
不思議なことが起きた」と
”腐植”入りで育った白菜の葉っぱの内側を見せてくれました。
なんと白菜の中で何匹かのハエが死んでいました。
とにかく「不思議だ」と繰り返す清水さんに
内水先生は次のように説明します。
「堆肥場の堆肥にはまだハエが居た。
あの堆肥の発酵が進むとハエは居なくなる。
それと同じ理由で腐植系の土と
一緒に生きている白菜に触れると
腐敗系の中で生きているハエは生きていられない。
本来の土壌と一緒に生きられる生き物と
本来の土に触れたら死んでしまう生き物がいるということです。」
清水さんは
「アブラムシとハエが完全に予防できることが
わかっただけでも大変なことだ、
農薬を使わない野菜ができるということだからね。」
と喜び、内水先生と
「農薬を無理に使う必要がない」農業について
話を深めていました。
次に、大根畑へ向かいます。
清水さんは畑の真ん中に立ち
カメラに向かって右側を
「”腐植”をパラパラと撒いたところ」
左側を
「こっちはこれまでどおりに種まいたところ、
いや、もう虫がついて葉っぱがなくなってしまいそう」
と説明してくれます。
腐植を蒔いた土で育った大根は
葉っぱの大きさや立ち上がりが明らかに違いました。
2つの畝からそれぞれ3本ずつ抜き、
1本ずつ長さと太さを測りましたが
大根自体に大きな差はありませんでした。
清水牧場の記録はここで終わるのですが
実はこの後、清水さんが
2種類の大根を煮てくれていたので
みんなで食べ比べをおこないました。
サイズは同じでも美味しさがあまりに違うので
内水先生をはじめ全員で驚いていました。
パラパラと表面に撒いただけの”腐植”が
大根の根の先まで、本物の野菜を育てる土壌に
なっていたことを実感する瞬間でもありました。
▼タイトル画面
▼白菜を比べる清水さん(左)と内水先生
▼白菜の中で死んでいるハエ
▼大根の実験畑で説明する清水さん
▼自ら大根を測る内水先生
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