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水物語その146 沖縄の小学校での撮影本番

1977年2月。

沖縄・那覇市の久茂地小学校で撮影することが決まりました。

小泉プロデューサーが提案した

カメラ4台での同時撮影というプランを成功させるために

信頼ある4名が選ばれました。

ごみと社会などでも一緒に世界を回った”堀田泰寛”(ほったやすひろ)

野生の王国・北海道編で撮影をしてくれた”谷口常也”(たにぐちつねや)

そして四宮君が親しい”黒柳満”(くろやなぎみつる)と

”中島彰亮”(なかじまあきすけ)のカメラマンです。


撮影本番の数日前。

事前に沖縄で現地の下見をした四宮君と堀田君から

報告を聞き、最後の打ち合わせをするため

東京ステーションホテルの一室に集まりました。

カメラマン4人と先生を囲み、

子どもたちにカメラを意識させないためのカメラの位置、

林先生の授業を丸ごと撮るための配置など

入念に打ち合わせをしました。


ロケ隊は録音スタッフや撮影助手を含めて

総勢14名の大部隊になりました。

機材も含めると大変な荷物でしたので沖縄への移動は

東京からフェリーで向かいました。

不思議なことに、私にはこの移動のことと

久茂地小学校での撮影のことの記憶がまったく残ってません。


どのような撮影であったかは本編に

“全部写っています”のでぜひご覧ください。と言うしかありません。

グループ現代のYouTubeからレンタルの案内があります。


撮影後はまた東京に戻り、

上映会にむけ編集作業を進めました。

撮影した映像はそれぞれ4台のフィルム映写機で

4つの画面に映写します。

観客に4つの映像を自由に

観てもらうという上映方法は

それまでのドキュメント映画には例がありませんでした。


最初の上映会はお茶の水の昔の教育会館でした。

当日は朝から準備を進めましたが

映写幕、映写機の組み立てや設置は

全てがいつもの4倍です。

映写機が全て同時に動き出すよう配線を繋ぎ、

どうにか試写も終えて

「よし、開場!」と表玄関に行ってみましたら

なんと外まで続く長い長い行列が出来ていました。

開催については朝日、読売、毎日の

三大新聞が紹介してくれていましたが

「まさか、こんなにくるとは!」と驚きました。


予想外の出来事に慌てて

並んでいる人々をどんどん入場させていると

スタッフの一人が飛んできて

「消防署からこれ以上入れてはいけないとの電話です」

と伝えてきたのです。

会場の管理者が想定以上の人数に慌て、

消防署に電話したのだそうです。

実行責任者であった私は、そこで入場を止め、

並んでいる人々に大声で事情を説明しました。

そして、2回目の上映会を必ず計画してご連絡を致しますから

このノートに連絡先を書いて下さい、と

急遽シナリオ用の原稿用紙と筆記用具をテーブルに置きました。


2回目の上映会は約1か月後に昔の四谷公会堂で行い、

この時もほぼ満席でした。


実はその1か月の間に、

初回上映の様子が載った新聞記事を見て

全国各地から当地で上映してほしいという

依頼の手紙が幾つも届いていたのです。

この反響を受け、小泉社長は

全国上映キャラバンすることを決定しました。

ワゴン車に4台の映写機と4つのスクリーンを組立てる機材を乗せて

私と若手の3人で北海道から沖縄まで回りました。

北海道は札幌と苫小牧、東北は仙台、

新潟、名古屋、岡山、福岡、

そして、沖縄の那覇市の市民会館。

約1か月かけてそれぞれの場所で上映会を行いました。

各会場ではアンケートをとっており全て林先生へと送られました。

私は全てに目を通しましたが

”こういう授業を子どもの時受けたかった”という感想が

最も多かったのを覚えています。


最後に、この原稿を書くためにグループ現代とやりとりしていましたら

林先生の「人間について」のDVDは、

46年経った今でも注文があるそうです。

しかし、4面マルチの上映は

費用や会場など様々な問題からか

あれから一度もされていないようです。



次回からは「土と水の自然学」のお話です。

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