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水物語その140 林竹二さんの授業

更新日:2023年8月21日

東京に帰ってすぐに竹内敏晴さんとのアポをとり

レッスンへ参加しました。

そこで、その後の私の生き方の核となる

「野口晴哉(はるちか)氏が創始した活元運動」と

林竹二先生からの教示が並行して進むのですが

「活元運動」のことは、後でまとめて触れます。


林先生は全国の小学校をまわって

授業を行なっていました。

先生からは、撮影で授業に参加するスタッフへ

「教室の後ろで立って見るのではなく

空いている生徒の席に座って

子どもたちと一緒に授業を受けなさい」

と指示を受けており、

この企画は四宮君のものだからと

私は気楽に空いてる席に座って受けていました。

後でわかるのですが、これが非常に良かったのです。


ここからは「人間について」の授業受け、

自分の中で起きたことの記録です。


実際の授業内容については

グループ現代で貸し出しているビデオがありますので

そちらでぜひ見てください。

インターネットでも一部が紹介されています。


まず、小学校3年生に向けての授業。

最初に受けたのは山形県の寒河江市の小学校でした。

席についていると先生が笑みを浮かべて入ってくるのを見て

級長が「起立!」と号令をかけると

全員が立ち上がり「おねがいします。」

と元気な声が教室に響きました。

林先生が、ニコニコと柔らかい声で

「今日は担任の先生の代わって私が授業をします」と

挨拶をすると教室全体の雰囲気が和らぐのを感じました。

「今日の勉強の題は、」と言葉を続け

チョークで黒板に [ 人 間 ] と書き

「人間です」と前を向く林先生に子どもたちがザワつきます。

「あなたたちはみんな人間ですよね」

「はい!」と全員が嬉しそうな声で答えます。

「だから、人間なんて知らないとは言えないね」

これにみんなちょっと詰まる。

「人間を宙で考えても判り辛いから、何かと比べて考えてみる。今日、比べてみるのはこの動物」

と大きな写真をみんなに見せます。

「何だ?この動物?」と再び聞くと

誰かが小さな声で「ビーバー」とつぶやくように言います。

「そーだ!ビーバー、

このビーバーはどんな暮らしをしているかな?」


ここまで、授業のはじまりのほんの一部ですが、

私がまず驚いたのは初めて出会った生徒たちと

いきなり一体になることでした。

授業記録の本ではわからない

子どもたちの気持ちがぐっと集まるその

’空気’の変化を現場で感じていました。


授業はビーバーの生態について進んでいきます。

ビーバーの体には手と足の指の間に水かきがあること。

尻尾はしゃもじのような形をしていて舵の役目をすること。

歯で齧って素早く木を切ること。

林先生が

「ビーバーは何でそんなに早く木を切るのかな?」

と聞けば生徒の1人が小さな声で

「ダムをつくるため」とつぶやきます。

「そうだ、良く知ってるね、じゃ、何故ダムをつくるの?」

と更に質問しながら理由を説明していきます。

ビーバーは森の中を流れる小さな川の流れを

堰き止めるようにダムを作ります。

その中央には更に木を組み立てた巣を作ります。

これが実によくできており

巣の中はきちんと目的別に部屋が分けられているのです。

まず入口は水の中で他の動物の侵入を防ぎ、

体の水切りをする部屋、その奥に子ども部屋、

更に奥には食料倉庫があります。

林先生は巣を輪切りにした断面の絵を見せながら

詳しく説明してくれます。

私も子どもたちと一緒にビーバーの知恵に感心していると

「そんなビーバーのダムに事件が起きる。

洪水でダムが壊れて巣がむき出しになってしまった。

ビーバーはどうしたと思う?逃げ出したかな?

もう一度ダムを作ったかな?」とにこにこ顔で尋ねるのです。



株式会社 グループ現代のホームページのアドレス


林竹二の授業 1 ビーバー DVD写真



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