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水物語その135 日本のごみ焼却技術②

更新日:2023年8月21日

今回は日本で発展した「ごみ焼却技術」についてのお話です。

映画では技術のひとつひとつを詳しく紹介していますが

普段の暮らしでごみの処理方法やその技術の繊細さを

詳しく知ることはなかなかできません。

焼却炉装置の写真はホームページに載せておきますが

なるべく言葉で伝えてみようと思います。


まず、ピットに集められたごみは

燃えやすくするためクレーンで混ぜられ

内容物のかたよりを無くし

再びクレーンで掴んで焼却炉入口の

ホッパーへ落とし込まれます。


焼却炉の中はゆるやかに下降する階段状となっていて

・乾燥ゾーン

・燃焼ゾーン

・後燃焼ゾーン

の3段階で処理されていきます。


最初の乾燥ゾーンでごみの水分を飛ばし、

2段階に分かれている燃焼ゾーンでは

ストーカーという火格子の下から空気を吹き込んで

ごみを自燃といって自ら燃えさせます。

火格子はいくつにも分かれて前後に動き

ここでも燃え方に偏りがないように作動します。

後燃焼ゾーンでは前のゾーンで燃え切らなかったごみが

残らないように更に工夫されたストーカーで燃やしきります。


実は、ごみが分別されない時代には

この燃焼ゾーンでアルミやガラスが溶けることにより

ストーカーの故障が起きていました。

いまは自治体による分別ルールの細分化や

回収場での人力による分別、

そして焼却場での自動分別機能が進んだことで

焼却炉の故障トラブルはほとんど無くなっています。

また、以前は燃え残りに有機物が混じり悪臭が発生していました。

しかし今は後燃焼ゾーンで完全燃焼し

焼却灰もセメントで固めて埋立てられているので

有害物質が溶けだす心配がありません。


次は排気ガスです。

排気ガスには、熱と有害物質が含まれています。

まず、熱の処理です。

炉の中に作りこまれた水管によって回収され

ボイラーに送られて発電の動力となります。

その後の熱は熱交換器を通して

地域暖房と給湯に利用されます。

続いて排気ガスの有害物質は

電気集塵機という装置で吸着、除去し、回収されます。

更に、石灰を使った乾式の除去フィルターを通過させたり

苛性ソーダ液を噴霧する湿式の除去方法で

ほとんどの有害物質は取り除かれています。


焼却場からでる処理済みの排気ガスに

有害物質が含まれていないことを証明するため、

焼却場の入口には煙突から出る排気ガス中の

硫黄酸化物、窒素酸化物、硫化水素の濃度を表示する

電気表示版が設けられていて誰でもが何時でも

確かめることができるようになっています。

以上が、言葉によるごみ焼却場と技術の説明でしたが

理解して頂けたでしょうか。


当時の時点で、この技術を開発した

日本国内の焼却炉メーカー施設は

いくつもの自治体で採用されていました。

そして、今回は言葉でお伝えした

映画「日本のごみ焼却技術 -21世紀に向かって-」は

JETRO(ジェトロ)とJAICA(ジャイカ)で取り上げられ

英語、フランス語、スペイン語、タイ語、インドネシア語の

6ヵ国に翻訳されて世界に紹介されました。


この映画を完成させたことによって

私のプラスチックごみ問題への取り組みは

ようやく終わったのでした。


言葉だけではやはり難しいという方もいると思います。

最初に書いたように焼却炉装置の写真はホームページに載せておきますので

ぜひご覧ください。


【機械式焼却炉の基本構造】



【ごみの入口ホッパー】

【乾燥ゾーンのストーカー】

下から高温空気が送られながら、

弁が交互に立ち上がりごみを混ぜて

燃焼ゾーンへと送ります。



【燃焼ゾーンのストーカーと構造】

ストーカーが前後に動いてごみの燃焼を促します。



【後燃焼ゾーンでの燃焼状態】

非常に高い温度で燃やされている


【熱を吸収する水管壁】



【ボイラー】

水管からの熱を蒸気に変えるボイラー


その蒸気でタービンを回し、発電する装置


【電気集塵装置】

装置の中には何本もの電極板があり放電してガスの中の不純物を吸着します。



【乾式ガス清浄装置】

石灰の粒で不純物を取り除く


【湿式ガス清浄装置】

苛性ソーダ液で不純物を取り除く


【湿式放流水の水質】

データ表で問題がないことを告げる担当者

【排気ガスの検査と表示】

いつでもデータが見れることを示す担当者



SOx 硫黄酸化物 1ppm


NOx 窒素酸化物 105ppm


NCx 硫化水素 45ppm

いずれの数値も国の基準を大きく下回っています。


【焼却工場の中央制御室】

熟練者でなくても運転できるコンピューターシステム


【新しい焼却炉場  横浜市】


【京都市】

大都市の新しい清掃工場は住宅地域に隣接して建てられています。

熱利用の施設が隣に作られ、周辺住民の大切な憩いの場になっています。


【山の町の焼却場 長野県岳北】


【海の町の焼却場 千葉県館山市】


【流動床式】


【流動床式で出た灰】

小さな町の処理場には「流動床式」の焼却炉が導入されています。

流動床式の焼却炉の灰は清潔で少ないので埋め立てても汚染の心配が要りません。








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