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水物語その132 廃プラスチック製の雨水桝

更新日:2023年8月21日

プラスチック廃棄物を再生加工する場合には

プラスチックの種類を見分けて

適切な割合で混ぜ合わせることが大切です。

更に、プラスチックは軽いので

重さを出すために石の粉などを混ぜます。

そのノウハウはなかなか繊細なものです。


大阪の枚方にあるこの会社では

そのノウハウの特許を

日本だけでなくフランス、イギリス、ドイツ、アメリカで獲得し

沢山の引き合いが来ていました。


当時、この会社で作っていたのは戸建ての家の雨水を貯める

「雨水桝の枠と蓋」でした。

従来のものは、コンクリート製か鉄や鋳物でしたから

廃プラスチックの製品は

価格も安く、作業性も優れていました。

折からの一戸建ての建築ブームに乗って大量に作られ、

現場で使われていました。

当時の建売一戸建ての様子


各戸に設置される雨水桝の蓋と枠



繊細な配合技術を開発した末久 史郎 社長は映画の中で

次のように語っています。


末久 史郎 社長

「私は昭和一桁の生まれでしてね。

 やっぱり、もったいないということでやってきました。」

 石油をいっぱい輸入しているのに無駄にしている。

 石油から作ったプラスチックを使い捨てにしているのは

 やっぱり「もったいない」ということで、

 いろいろ試行錯誤しましたが

 結局は「逆もまた真なり」で

 増量剤の石粉を先に温める、適切な温度に熱してから

 粉砕したプラスチックと混ぜると上手くできる

 とこにたどり着いたわけです」


そして、製品が産業として成り立つためには

「世の中に役に立つものであること」が必要だとも

語っていました。


末久史郎 社長

「たとえ原料が廃棄物であれ、

 生まれた製品が、世の役に立つ、

 有用なものであると認められること、

 それを業界挙げて、考えて行けば、

 やがて評価を得られるようになるだろうと

 考えています。」


この仕事論は取材した全ての経営者に共通していました、


ここまではプラスチックの有用性と実用性を

お伝えしてきました。

しかし、同時に解決すべき課題があることも伝えるべきですので

電子顕微鏡で捉えたプラスチック分子を映し

「それ」は自然には存在しない物質であることも

あえて映像にしました。



ABS樹脂の分子構造と発泡スチロールの分子構造


ポリエチレン樹脂の単結晶



プラスチックで改善された社会と

取り組むべき課題を最後のナレーションでこのようにまとめました。


「私たちは今、限りの見えてきた石油資源を前に

 石油節約型の社会つくりという課題に直面しています。

 その石油から作られるプラスチックを

 もう一度役立てて行く産業の育成は

 どうしても必要なものです。

 プラスチック再生加工品についての正しい認識を持ち

 積極的に取り入れて

 石油資源に無駄のない社会を

 皆んなで作り上げようではありませんか」

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