プラスチック再生加工品は
その大きさにとらわれず、肌触りの調整も自在にできるという
特徴から様々な場面で使われています。
前回までに紹介した以外でも
形を変えて私たちの生活を支えています。
まず、海辺ではタコ壺のほかにも
魚たちの住まいになる漁礁にプラスチック再生加工品が使われています。
日本列島は四方を海に囲まれており、
魚食文化が浸透しています。
日々、食卓にはさまざまな魚が並び、
水産物の安定的な供給は欠かせません。
そのために行われているのが漁場整備です。
魚たちが育ちやすい海の環境をつくるために行われています。
プラスチックと砂を混ぜて作られた漁礁は
約1mの枠をプラスチックの柱で繋いだもので、
まるで巨大なジャングルジムのような形をした
組み立て型のものです。
(プラスチック再生加工品でつくられた漁礁)
(漁礁をクレーンで吊す様子)
海岸側の陸上で組み立ててから
大きなクレーン船で吊り下げて
魚たちが住みつきやすい地形まで運びます。
(遠州灘へ沈められる様子)
撮影したのは遠州灘に沈められる漁礁の様子ですが
1972年に開発され、1981年の時点では
北海道から沖縄までの海に100箇所以上に沈められ、
いまも日本の魚食文化を支えています。
次に、子どもたちが遊ぶ公園や遊園地に設置されている遊具にも
プラスチック再生加工品は使われています。
滑り台やブランコやジャングルジムなど
子どもたちにも人気の遊具は
プラスチック廃棄物に自然の木の粉を混ぜて作られています。
子どもたちの肌は繊細です。
木で作った遊具ではトゲが刺さったり、
雨にぬれると滑る危険があり遊べなくなります。
コンクリートや鋼鉄製の遊具は、冬の寒い時は冷たくて握れません。
しかし、プラスチック再生加工品の遊具は
雨に濡れてもすぐ乾きますし、何より肌触りが滑らかで
鋼鉄製のように冷たくならないので子どもたちも安心して遊べます。
1981年の時点では全国100箇所以上に設置され
徐々に広まっている段階でしたが、
現在ではほとんどの公園や遊園地で使われています。
そして、大人の遊び場として人気のゴルフ場でも
その特徴が生かされています。
ゴルフをするときにはゴルフシューズを履きますが、
撮影当時はシューズの裏に滑り止めとして金属製のスパイクが付いていました。
この尖ったスパイクはグリーンを痛めてしまう原因となり
整備のために多大な経費がかかっていました。
その解決策として、コースの外にプラスチック再生加工でできたマットが敷かれたのです。
他にも、鉄道の駅の表示板は常に雨風に晒されており
木製ではすぐ腐ってしまったり、ペンキが剥がれてしまい
肝心の駅名が見えなくなってしまうことがありました。
これをプラスチック再生加工品に変えると
雨風に強く長持ちすると同時に
見やすくするために板を白くしなければならない
という課題もプラスチックに白い石の粉を混ぜることで
解決しました。
以上で紹介したように
1981年の時点で
プラスチック廃棄物は社会に役立つ製品に生まれ変わって
身近なところで目にすることが出来るようになっていたのです。
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