北海道には広大な湿地帯がいくつもありますが、
その湿地帯を牧草などつくる耕作地にする取り組みは
今も続いています。
湿地帯を耕作地にするために、
まずは土の水を抜かなければなりせん。
作業は、重機で長い溝を掘るところから始まります。
深さは約1m、長さは100m近くもありこれを10m間隔で
何本も掘っていきます。
(作業の様子)
(何本も掘られている様子)
掘った後は、溝の底に萱(かや)を敷き、小さい穴の空いたパイプを埋め
1年かけてあらかたの水を抜いていきます。
2年目の春に、表土を掘り返して乾燥させて土をつくり
3年目にようやく耕作地として種を蒔き収穫ができるようになり
酪農が盛んな地域ですので、牛のエサとなる牧草地へと姿を変えます。
この土地開拓事業の水抜き作業ですが、以前は、土管が使われていました。
しかし、土管は太く、重さがあるため長いものが作れませんでした。
短く重たい、さらには割れやすい土管を繋いでいく作業はとにかく時間がかかりました。
暗渠の長さは約100m。それを10m間隔で何十本も埋める作業は
従来の土管では終わるまでに2〜3年もかかっていました。
しかし、プラスチック再生加工によって作られた
暗渠パイプは軽くて割れない上に長さも出せるため
作業効率が格段に上がり、なんと作業も1シーズンで終了するのです。
(従来の土管)
(暗渠パイプ製造の様子)
(プラスチック再生加工によって作られた暗渠パイプ)
(暗渠パイプの設置作業)
(開拓現場にて水抜きの様子)
(3年目に収穫された牧草)
プラスチック再生加工品のメリットを活かした現場は全国にあります
日本は全国のあちこちに山があり、
山の傾斜のすぐ横に住宅や道路が作られていますが
その山肌の崩れを防いでいるのは
法面保護枠(のりめんほごわく)です。
この保護枠にもプラスチック再生加工品が役立っているのです。
(パーツ。組み立て式なので軽量で設置も簡単)
(組み立てた完成形)
(排水の様子)
法面の保護で最も大切なのが大雨の時の排水機能です。
プラスチック再生加工の保護枠は
溝の形をした1mの部材を十字型の連結部に繋いで
法面全体を網の目の形に張り巡らせます。
広い法面(のりめん)を一体で粘り強く支えることが出来るのです。
プラスチック再生品の軽さと強さ、
そして何よりも作業性の良さがここでも発揮されており、
国土交通省の標準機材にも指定されています。
(施工の様子)
(完成した実例)
全国の法面保護事業は1年間に100万平方メートル。
1981年の撮影時点で20万平方メートルの法面に
プラスチック再生加工枠が使用されていました。
(実例現場)
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