top of page

水物語その122 アメリカのごみ処理事情⑨

アメリカでの取材を終えた後は、ロサンゼルス空港から飛行機に乗りハワイに一泊しました。

翌日、ハワイ空港から飛び立った我々取材班は、

1975年11月26日の夜、約1か月ぶりに日本へと帰ってきました。


まだ成田空港のない時代ですので、降り立ったのは羽田空港。

到着口を出ると、プラ協広報委員長の清水さんをはじめ何人もの委員の方が待ってくれていたのです。

予想していない出迎えに驚きましたが、いかにプラ協委員たちがごみ問題へ高い関心を持ち、取り組んでいるのかが伝わってきました。

ごみ処理先進国の実情を記録するという目的のもと、約1か月でフランスのパリ、オランダのロッテルダム、ドイツ、イタリア・ローマ、アメリカ、と5ヶ国を巡りました。

パリとロッテルダムでは都市としての一貫した歴史的取り組みを、

ドイツでは国をあげての問題解決への姿勢を学び、

イタリア・ローマでは民族的習性とも思える情況を目の当たりにしました。

そして、アメリカという世界最大国では

都市としてごみ問題解決へ大きな目標を掲げ計画を進めていると

思いきや、その中身は実現には程遠く、

民間企業に委託する形になっているという

肩を落とさざるを得ない実情を知りました。

帰国した翌日には早速、撮影したフィルムを現像所に送りました。


その長さは約4000フィート。時間にすると約4時間。

撮影に使用した16ミリのネガフィルムからラッシュフィルムを作ってもらいます。

ラッシュフィルムというのは編集を行うためのポジ映像のフィルムのことで、

撮影が終わったままの状態、いわば編集を加えていない素材の集まりのことです。

現像が終わったラッシュフィルムを見ながら編集をして映画が形になります。

この時に作った映画は「ごみと社会」です。

プロット、すなわちあらすじと構成は出国前に決めていましたが、

事前に調査した情報を参考にして作ったものなので

現地に行ったからこそわかる違いや実情が多くありました。

この事実は実際に現地へ足を運んだ飯島さん、青柳さん、堀田カメラマン、そして私しか知りません。

そのため、まずはプラ協広報委員全員にできる限り全ての映像を見てもらい、映画の方向性を改めて議論してもらう必要があると考え、

4000フィートのポジフィルムをまずはヨーロッパ編とアメリカ編に大きく分けて、私たちが見てきた現場の事実がそのまま伝わるように繋ぎました。

繋いだ映像は、2日間に分けて広報委員全員に見てもらいました。

ヨーロッパ編を飯島さん、アメリカ編を青柳さんがそれぞれまとめてくれた資料と一緒に解説をしてくれました。

両日とも午後1時半から始めて夕方6時までかかり、その後もお酒を飲みながら遅くまで議論したことを覚えています。

0件のコメント

最新記事

すべて表示

水物語その164「土と水の自然学」の取材⑰~理論編~

内水先生は「理想的な沼の底質」と表現されますが、 ここでは分かりやすく、理想的な条件が揃った中で、 永い時間を掛けて出来た「沼の土」、もしくは「最高の土壌」と呼ぶことにします。 前回は、その「最高の土壌」が出来る自然の条件と 出来上がった「最高の土壌」が最悪レベルに汚れた水を たちまちに綺麗にする実験の話をしました。 今回は、その「最高の土壌」ができるしくみを 理論的に解読する話です。 白板を背に

水物語その163「土と水の自然学」の取材⑯~理論編~

今回から理論編に入ります。 理論編もノーナレーションで作られています。 畜産編と処理編の現場事実を観ながら、 いろんな疑問が浮かび、更に詳しい説明を求める人に、 内水先生が突っ込んだ説明を様々なシチュエーションで行ったものです。 ここではそれを映像なしで紹介するのですから、 途方もなく難しい作業ですが、是非理解して欲しい内容です。 「土と水の自然学 - 理論編」のタイトルが消えると、 九州のある低

水物語その162「土と水の自然学」の取材⑮~処理編~

処理編の最後は、多くの住人が住むマンションの生活排水処理に関してです。 マンションの全景が画面に表示されます。 「兵庫県明石市 土山駅前スカイハイツ」 地上14階 戸数647 画面が切り替わり、処理施設の入口には、 現場担当者を挟んで内水先生とインタビューアーの長崎浩さんが立っています。 長崎さんが早速インタビューを始めます。 「このマンションは建ってから何年になるのですか?」 「約10年になりま

Comentários


bottom of page