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執筆者の写真有限会社シューコーポレーション

水物語その115 アメリカのごみ処理事情②

アメリカが威信を賭けて取り組みをはじめた新しい廃棄物再資源化プロジェクトは、

制定された6つの都市と共同で既に動き始めていました。

回収されるごみは主にパルプ、鉄、アルミ、ガラスで、

その回収方法と再処理の仕方が各都市で違い、

環境保全に効果的な工程を見つけるのが狙いでした。


テネシー州 フランクリンでは、

湿式分別という方法で1日約150トンが回収されていました。


ミズーリ州 セントルイスとデラウェア州では、

1日約500〜650トンの鉄とアルミとガラスを回収しながら固形燃料を製造し、

発電所のエネルギーとして利用していました。  


メリーランド州ボルチモアでは

熱分解によるエネルギーで1日1000トンを回収。

初めに鉄とアルミとガラスを回収し、

後のごみを熱で分解してガス化して蒸気エネルギーとして活用し、

残った残渣は水の中で固まりにしています。


カリフォルニア州サンディエゴでは

熱分解によるエネルギー回収で1日約200トン、

マサチューセッツ州ローウェルは

焼却残渣からの1日約250トンを回収。


この6つの中でもメリーランド州ボルチモアで行われていた熱回収は

EPA(連邦環境保護局)も期待をしていました。

物質回収後のごみを熱エネルギーにして活用し、

残渣がガラス状の塊になるので、

埋め立てても地下水を汚染しないからです。


1975年の取材当時は科学技術に対する信頼が強く、

その点で世界をリードしていると自認するアメリカは、

ごみ問題も科学の力で解決出来ると考えていたのです。

取材班は、直ちに第3のプロジェクトが進んでいる

ボルチモア市へと向かいました。


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