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水物語その112 ローマのごみ処理事情③

翌日は朝6時からごみ収集作業の取材です。

前日のお宅に伺うと、丁度ごみ袋を出すところでした。飯島さんの見聞記にはこのように書かれています。

「収集トラックは街の広場の交通の邪魔にならないところに待機している。作業員は小さい手押し車の2輪車で路地を回り、各家の入口の脇に出された黒いごみ袋を集めて運んで来る。収集トラックの後ろに付けられた手押し車は自動的に籠だけ持ち上げてトラックの中へごみ袋だけ放り込まれる。別の作業員は、容器を付けた手押し車で道路に落ちているごみを掃き集めて収集車まで運んでくる。」


トレビの泉を囲む街並み、スペイン広場の周囲、午前8時の出勤でにぎわうベネチア広場でも取材を行いました。

清掃員は手押し車とほうきを持って掃除をし、その一方で、別の作業員がごみ袋を一軒一軒配っていました。


午後は待望のザール社の取材です。ザール社は市内から郊外へ30分ほど走り、一般道路から100mほど入った畑の中にありました。


ゲートに近付くと早速、悪臭が漂ってきました。

中へ進むと、左には大きな工場、右には事務所がありました。

事務所に挨拶へ行くと、秘書の男性が迎え入れてくれ

そのまま社長室へと案内してくれました。

社長のマンリオ・ツェローニ氏は40歳半ばの中肉中背でイタリア人としては小柄な方でした。

私たちがソファへ座るなり、いきなり話し始め、声も大きく手振りも大袈裟でした。

撮影の準備をしながら通訳を聞くと

「自分は25年前にマリアから啓示を受け、使命観に導かれてこの仕事を始めた。今は全てがベストの状態だからあなた方は運がいい」

と話していました。


準備も整ったところで全てのごみを自動分別するというRRRシステムのしくみについて質問しましたがフロー図を指さしてながら流れを説明するばかりで具体的な仕組みやシステムについては話してくれませんでした。

工場内を撮影したいと申し入れると快くOKをもらえ、そのまま地下の分別工場へと案内してくれました。

地下工場で分けられたごみは

・空き缶

・紙類

・牛の餌

・肥料

・焼却

という5本のベルトコンベアーに分けられ地上に運ばれていきます。

空き缶はアルミと鉄が磁気分別され、紙は隣の製紙工場へ。

牛の餌・肥料になるものは大きなロータリーキルンで乾燥させペレットへと形を変えていました。

ゲート付近から感じていた悪臭はこの二つのキルンから出ているものでした。

一通り案内されましたが、肝心の「自動分別装置」が見当たらないのでツェローニ氏に確認してみると、これまた大袈裟な身振りで

「それは見せられない!」と強く拒否されてしまいました。

飯島さんがツェローニ氏に質問してこちらを見ていない隙に、のぞき窓を覗くと、何と人の手がちらちらと見えました。


RRRシステムは自動ではなく、人の手での分別だったのです。


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