「生命惑星地球=ガイア」は一つの生命体であるということが確かめられたとして、
生命体には誕生と生い立ちの歴史があり、最後の死があります。
「ガイア」はいつ誕生したのか?
「ガイア仮説」では、地球に初めての生命が誕生し、
それらの生命が地球全域に広がった後に誕生したと説かれます。
それは、どんな状態であったのか?
ガイアが生まれる前の地球の大気は宇宙の法則に支配されていますから、
先に見たように「炭酸ガス99.0%」です。
そんな大気の中で生きられる生命体は、太陽をエネルギー源に炭酸ガスを取り入れて
酸素を排出するバクテリア微生物です。
そんな微生物が種類を増やしながら地球全域に広がると酸素が増えて行きます。
酸素は反応性の強いガスですから生命などの有機体は酸化されて破壊=死にます。
酸素の割合が、炭酸ガスを利用するバクテリア微生物群の棲息を難しくするほど増えた時、
それは地球の最初の環境危機に直面した時、「ガイア」が目覚めたと言います。
地球の誕生は45億年前。
生命の発生が36億年前。
ガイアの目覚め25億年前と考えられます。
目覚めた幼いガイアは、
危機を脱するためのいろいろな策を積み重ね、
18億年後に今の大気成分を維持する
総合的な「ホメオスタシス=恒常性」を作り上げて
「生命惑星地球=ガイア」に成長したのです。
ラブロック博士は
「ガイアは、これまでの生涯のほぼ三分の一近くを、
原核生物バクテリアだけを構成員として生きており、
今なお、地球の生命はもっとも原始的なバクテリアたちの強力な管理下にある」
と述べています。
七億年前に誕生して爆発的に進化した
さまざまな現在の生きものの身体は、
先住のバクテリア群が棲み暮らす場として
成り立っているということです。
動物、植物、魚類、昆虫、爬虫類に至る
すべての生物の生存の仕組みを見ると、
先住のバクテリア群によって
生かされていることがよく分かります。
腸内細菌や細胞一つ一つの中に居て
重要な働きをしているミトコンドリア、
植物の根に働く根周菌などは
先住のバクテリア群の子孫です。
「水」がガイアの誕生前から
地球にあったことは間違いありません。
さらに、ガイアに先立つ生命の発生よりも 先に存在していたことも間違いありません。
ということは、水が無かったら先立つ生命も
ガイアの誕生もなかったということになります。
では、水そのものに
生命を発生させる力があったかというと、
そうは言えないようです。
ガイアは既に水が存在しているところに誕生し、
水の性質を知って活用して、
今の「ホメオスタシス=恒常性」を
作り上げたのだと考えられます。
水はなぜか他の物質と
基本的な性質が異なります。
まず一つ目に、他の物質は温度によって、
気体・液体・固体と変化し、
必ず個体の比重が一番重くなります。
しかし、水だけは固体の方が軽くなります。
氷は水に浮くからです。
そして、比重が一番重いのが4℃です。
もし、水の固体=氷が、
他の物質と同じように比重が一番重かったら、
地表の水は凍ったものから沈んで全部が凍り、
太陽に暖められても表面だけしか溶けません。
ところが氷の方が水より軽いので、
下の水は凍らず、
その中で生きものが生き続けられます。
地球に何度も有った氷河期を
海や湖、川の氷の下で生命体は
生き続けたのです。 「水」のこんな特別な性質をガイアが作ったとは考えられません。
二つ目に氷が水になるために必要な熱量=融点と
水が蒸発する為に必要な熱量=沸点が、
水は特別に大きいのです。 水のこの性質は、
地球上を一定の温度環境に保つのに
大きく役立っています。
むしろ、こんな性質を持つ水が無かったら
生命体が生き続けられる温度環境は
維持できないでしょう。
そういう意味で、地球は水球でもあります。
三つ目に水はものを溶かし込む力が
異常に強いのです。
どんな物質も分子間結合=正の電荷の原子核と
陰の電荷の電子とが結合して出来ています。
水は、その分子間結合の力を
百分の一に弱める力を持っています。
そして、バラバラにした分子を
イオンの形で水中に散らばらせます。
この力によって海水が生まれ、
いろんなミネラルを含んだ水が生まれ、
植物も動物も栄養分を水溶液のかたちで
吸収できるのです。
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