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水物語その108 ドイツのごみ処理事情③

ごみ処理先進国といわれるドイツのその取り組みは47年前からはじまっていました。

「ごみの処理の順番は、1.埋立て 2.コンポスト 3.焼却 である」

と掲げるボウマン氏の言葉はきちんと現場に反映されており、埋立地の設備や環境は

当時から非常に進んだものでした。


今回は、その2点目。コンポストについてお話しします。


まず、コンポストとは生ごみから作られる堆肥のことです。


当時からドイツは地方都市の多くで生ごみからコンポストを作ることが行われていました。

中でも一番進んでいるといわれるハイデルベルクのコンポスト工場を取材することができました。


ハイデルベルク市はドイツの西南部にあり、フランクフルトから特急列車で1時間ほどのところです。

ドイツで最も古い大学ルプレヒト=カール大学があり、世界中の数多くの学者や観光客を惹きつけている街として有名で、街では学生らしき若者を多く見かけました。


コンポスト工場は街の真ん中を流れるネッカー川の西側にありました。

飯島さんの見聞記には工場の印象を次のように書いています。

「工場は1973年に完成したばかりで、非常に近代的な作りである。ごみ処理工場特有の臭気が無い。」

私の記憶でも実に清潔で、かつ整然としていた印象があります。


ここで収集されたごみは、全て自動的に分別されていました。フローチャートがありますので紹介しておきます。


この工場のしくみは実にムダがなく、隣に建つ下水処理施設と併せて効率的に稼働していました。


この当時、ハイデルベルク市の人口は約13万人。(現在は約16万人に増えています)

各家庭から流れてくる大量の汚水は、町中に張りめぐらされた約380㎞の下水パイプを通って処理施設へと送られてきます。

この汚水はメタン発酵させ、バイオガスを生成し工場の熱源として利用していたのです。


さらに、処理施設から出る汚泥と


工場で作られたコンポストを混ぜ、堆肥化されていました。

出来た堆肥は効果も高く見聞記にも

「非常に肥料効果が認められており、一度使用した人は必ずまた

使用するようになるという。特にアルカリ性の作物に効果があり、

 工場周りの芝生、アスパラガス、ホップ、タバコ、ブドウ等に使われている。」

と記されています。


白黒で分かりにくいですが工場の全景と内部の写真も掲載しておきます。


取材の最後に街を歩く学生たちにインタビューをしました。

「あなたの出したごみや糞尿は、この町ではどのように処理されているか知っていますか?」

と、20人ほどに聞きましたが、新入生という一人を除いて、全員が正確に答えてくれました。






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