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水物語その107 ドイツのごみ処理事情②

ドイツでは、ごみ問題についての自治体と企業側の考え方が見事に一致していました。

そのような合意形成のしくみがあったからこそ、今「廃棄物処理が世界で最も進んだ国」

と言われるようになったのだと思います。


47年前に取材した際にもごみ処理システムについて市民を交えた議論がされていました。

そこに主力のメンバーとして参加していたボウマン氏の発言から、今回はドイツがごみ処理先進国であるという根っこの部分をお話したいと思います。


市の清掃局局長と清掃局連合会の会長を兼任する彼は、このように断言していました。

「ごみの処理の順番は

1、埋立て 2、コンポスト 3、焼却 でなければならない。」


まずは、一点目。

当時の埋立地がどのような環境と設備だったのかご紹介します。ドイツで最大の埋立地である「エッセン埋立地」へ取材した時のお話しです。

そこは、ドイツ西部の都市デュッセルドルフに近く、昔は炭鉱があったところです。

1967年に倒産した炭鉱を周辺の市町村が共同出資して買い上げ、協会を設立し、民間企業に運営を一任していました。


跡地の広さは約100万平方メートル。

跡地に残されたボタ山、

炭鉱として使われていた時代、採掘作業で捨てられた硬石が

積み上がってできたその山は高さが50mほどもありました。

その山に登った時の見聞記レポートには

「埋め立て地の風景は壮観である。周囲は森に囲まれており、その向こうには住宅が広がっている。」

当時は、将来的に85mの山を作り全体を森林公園にする計画が進められていました。


<ごみ埋め立て地の景観>


<森林公園のプラン>


続けて埋立地へと入る、ゲートの様子も記録されています。


「一般道路より200mも奥へ入ったところにあり道路の両側には芝生が植えられ、不快な臭気もなく、とてもごみ埋め立て地の入口とは思えない。

ごみの搬入者はここでカードを渡すと、ごみの量と種類がコンピューターで記録され、1か月ごとに料金が請求されるしくみになっている。」


この埋立地に運ばれてくるのは、家庭ごみが30~35%、産業廃棄物が55~60%、

残りの10%が粗大ごみやウレタンなどの特殊ごみです。


ここでは、サニタリーランドフィルと呼ばれる埋立て方式をとっていました。

ごみを2mまで積み、上からまた土を被せるように2mまで積んでいく。

これを繰り返していき、最終的にはごみと土の層を12層、高さ24mまで積み上げる、というものです。


更に、ここには国営の研究所があり、全国の埋立地で染み出した地下水のサンプルが集められ、分析と研究がされていました。

分析装置は”原子吸光”(ゲンシキュウコウ)と呼ばれる最新型のもので、分析結果は毎日公表されています。


当時の日本の埋め立て地では考えられないほど全てが充実した在り様に私たちは、ただただ感心するばかりでした。

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