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水物語その100 欧米のごみ処理事情

ヨーロッパでの取材先は、

フランスのパリ、オランダのロッテルダム、

ドイツのフランクフルトとエッセンとハイデルベルク

そして、イタリアのローマです。


取材期間は1975年10月18日〜11月9日までの23日間です。

まず、それぞれ自治体のごみ担当者にインタビューを行い、

焼却施設とごみ埋立地を撮影。

街中のごみ収集風景を取材して、

最後に一般家庭へお邪魔し、暮らしの中で

どのようにごみがでるのかを撮影しました。


おもしろいことに出るごみは同じでも

それぞれの地域によってごみに対する考え方が違っていました。

それは、その国や地域の永い歴史からできた価値観であり

家庭での生活習慣にも繋がっておりとても興味深いものでした。


ヨーロッパでの取材を終えると私たちはアメリカへと飛びました。

期間は11月10日から約2週間。

ワシントンでEPA(連邦環境保護局)、

ニューヨーク市、ボルチモア市、

ヒューストン市、ロサンゼルス市で取材をしました。


移民の国とも呼ばれるアメリカのごみに対する考え方は、

永い歴史を持つヨーロッパとは根本的に違っていました。

ヨーロッパの自治体では、ごみはごみとして処分するだけではなく

活用しようとしていましたが、

アメリカでは、広い国土のどこかに埋めれば良い、

という考え方が基本でした。

そのため、ごみ処理における一番重要なのは

「ダンプ・フィー」すなわち、「埋め立て費用」なのです。

焼却処理をする場合は、ダンプ・フィーに見合うことが条件となっていたため、

焼却炉の機能や技術はレベルの高くないものばかりでした。

しかし埋立地の環境汚染が問題になっており

EPA(連邦環境保護局)が主導して、

ごみを溶かして固める、いわゆる「溶融方式」という

最新技術が開発中でした。


取材から帰ってすぐに「ごみと社会 -世界のごみ処理システム -」

という42分の映画を仕上げました。

しかし、内容があまりに多過ぎて、

概論しか語れない作品になりましたので

それぞれの現地の事実と本質を伝えるべく

「ヨーロッパのごみ資源化システム」と

「ごみに挑むアメリカ」

という映画を作りました。


この3本も映像データが残っていないか調べましたが、

残念ながら見つかりませんでした。

映像資料をお見せすることは叶わないのですが

私の手元に、映画「ごみと社会 欧米ロケ見聞記」という

一緒に取材を回った協会メンバーの飯島さんと青柳さんが

まとめてくれた本が残っています。

次回からは、これを元にヨーロッパとアメリカ、

それぞれのごみへの意識と価値観、そして歴史や生活について

旅のエピソードを交えながらお話しします。


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