水

​「水つくり」開発ストーリー
水物語その61 オカピの取材③

レタスが1週間で

種から収穫できるということは、

ほかの野菜でも同じようなことが

起きているということです。

ここの村人たちは、その日の食べるものを畑から

その都度、採ってきて食べているのです。

畑には彼らの主食であるイモ類の花も

沢山生えていました。

食べきれない分は町で売って

現金にしているそう。

牧場主の会食の後、

屋敷のすぐ下にあるチーズとバターを作る

工場を見学させてもらいました。

自給自足は当たり前で、

加工品まで自分たちで作っていました。

その工場の前には大きな広場があったのですが

なにやら村の男性たちが集まって

作業をしていました。

話を聞いてみると、

大きな丸太から板を切り出していたのです。

身体よりはるかに大きな木を

7本ほど組み合わせて

作った作業台の上に寝かされた丸太を

台の上と下に分かれた二人が

長いノコギリでリズム良く上下に

切っていました。

 

教科書や絵本でしか見たことがないような光景に

「何という豊かな暮らしなのだ!」と

とても感動しました。

この村に住み込んで1年の暮らしを

追った映像を記録したいと思っていますが、

未だに果たせていません。

 

翌日、出発の日の朝。

コーディネーターは

ロッジのカーテンを閉め切って

全員を集めてお札を数えさせました。

宿に支払う十数万フランを小銭の古札で

十枚ずつにして束ねるのです。

6人がかりでなんとかまとめ、

帳場に持って行くと、

今度は向こうが数える番です。

合わせて約1時間ほどかかりましたが、

なんとか終えて空港からきたリムジンに乗り、

出発しました。

ゴマの空港でチャーターしたプロペラ機は

中型でなかなか恰好が良い飛行機でした。

機材を積み込んで座席に座り、

離陸するとすぐに密林の上を飛行します。

飛行高度があまり高くないので、

眼下に密林の様子が良く見えました。

30分ぐらい飛んだ時にパイロットが

「このへんだったんだがな」とつぶやいて

探し始めました。

「おい、おい、大丈夫かい!」と

竹田津さんが叫ぶと

「あそこだ!」というパイロットの声がして、

グーンと旋回して、

密林の中に拓かれた草原に滑り込みました。

何と!そこがムンバサ空港だったのです。

プロペラ機が停止すると大勢の人が

リムジンバスを挟んで並んでいました。

その様子を竹田津さんが

たまたま撮影していましたので

掲載しておきます。

パイロットが

「あの人たちが空港の草を刈って、

石と木の枝を取り除いて

整備してくれたのだから、

チップをやってくれ」

と言いました。

扉を開けるとその人々が駆けつけて来て、

荷物をリムジンバスまで運んでくれました。

腰に着けているポシェットまで外して

運ばせろというので断りましたが

不満そうでした。

パイロットにチップ用の

少額紙幣の束を渡したら、

一列に並んで受取りました。

見ていると受け取った者の中に、

また後ろに並んでいるのがいましたので、

傍へ行ってダメだと手を振ったら、

いたずらをとがめられた子どものような笑顔で

外れていきました。

ムグティ族とオカピのことを調べている

国際機関のエプルステーションは、

リムジンに乗って10分ほどのところに

ありました。

背の高い女性の所長さんが出迎えてくれて

すぐに明日からの取材のミーティングを

開いてくれました。

キンシャサを出発してから6日目。

やっとオカピの取材が始められます。

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   主食の里芋の花が1年中咲いていて

いつでも収穫できる。

​(写真提供・竹田津実氏)

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太い木を高い台に乗せて、

上と下でノコギリを動かして

板を切り出します。

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密林の中にあるマンバサ空港の

草を刈ってくれた人たちの出迎え。

白い車が

エプルステーション研究所の車。

奥の小屋がマンバサ空港事務所。