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水物語その72 オジロワシの魅力

野生の王国「舞え!海を抱く大空の王者オジロワシ 知床」のこと。


最初に、なぜオジロワシなのか?

北海道には、シマフクロウやオオハクチョウや

オオワシなどの珍しい野生の鳥がいる中で

何故、オジロワシを取り上げたのかについてお話しします。


きっかけは谷口カメラマンが撮影した

流氷の上を舞うオジロワシの映像でした。

初めてこの映像を見た時に、

ゾクッ!と鳥肌が立ったのを覚えています。

それがどういうことであったかは後々で分かったのですが

「この映像を子どもたちに見せたい!」と、

その時、強く思ったのです。


竹田津さんと打合せの時にその話をしたら

「そうですか、実は私も知床でオジロワシを初めて見て、

北海道に住むことを決心したのですよ!」

と、何十年も前に見た時の様子を有り有りと語って

「とにかく美しい!、、カッコイイ!、、優美!、言葉では説明できないね」

とその姿が目に浮かんでいるのがこちらにも伝わってきました。

竹田津さんの言葉はまさに、私が感じたことでした。

私が見たのは実際の姿ではありませんが

映像からでも近いことを感じたのです。

それにしても、谷口カメラマンは

どうしてそんな映像を撮ることができたのでしょう?

と、疑問を呈しましたら、

「そうなんだよ。オジロワシの目は物凄く良いから、

あんなに近くでは撮影できない。

私もあんな映像は初めて見た、」

と竹田津さんから太鼓判を押されました。


1年間の追加取材中、

流氷の海でオジロワシの生の姿を

見れることを期待していたのですが

叶わぬ夢でした。


オジロワシの目には1000ミリの望遠レンズに

匹敵する性能があるそうです。

森の中でも、まして見通しの良い流氷原の上で、人の近くには来ません。

では、どうしてあんなカットが撮影できたのかと聞きましたら、

とんでもないことが分かりました。


谷口カメラマンはオジロワシのアップ映像を撮りたいと

いろいろな策を行っていました。

盛り上がった流氷の間に隠れ場所を作って

撮影ポイントにオジロワシの餌を置いて待つ策をしていた時です。

ある日、

忘れ物を取りに助手の草間君が

隠れ場所から離れて行った直後、

なんとオジロワシがポイントの餌のところへ

舞い降りてきたのです。

少しでも動いたら感づかれると

谷口カメラマンは気配を殺して考えました。


”二人で隠れ場に入って一人が出て行ったら来たということは…

オジロワシは引き算ができないのだ!!”


そのことが分かり、改めて準備を整え

天候の良いを狙って撮影を敢行して撮れたのが

あの素晴らしいカットだったのです。

撮影はハイスピードですから、

映像はスローモーションで動きひとつひとつを鮮明に見ることができます。

800ミリの望遠レンズで遠くの姿を画面一杯に捉え、

ピントを合わせながら飛んで近づいて来て

目の前に悠然と降り立つまでの姿を

ワンカットで撮影するという

谷口カメラマンの人並外れた技術と執念が結実した映像だったのです。

野生の王国の番組では、まずこのカットをじっくり見てもらうことから始めました。



野生の王国「舞え!海を抱く大空の王者オジロワシ 知床」から



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