水物語その3 ザイールでの撮影

「良い水」は、

水槽に「良い土」と花崗岩と火山岩を一緒に入れて、

エアーレーションで循環して作られました。

しかし、「良い土」がそのままだと溶け込んでしまいますので、

原料の土を"にかわ"でペレット状に固めて使われていました。

排水処理と堆肥つくり、土壌改善では、粉状の「良い土」が使われていました。

「良い土」が産出する九州の現場を撮影しました。

400mのトラックが4面採れそうな広さのその場所に土を掘って加工する工場がありました。

内水博士は、個々の「良い土」のことを地球上で「最高の土」と呼んでいました。

周辺の農家で取材す るとすべての農作物にいかなる肥料も農薬も使っていないとのこと。

しかも、虫もつかない。

病気も出ない。

品質は最高レベル。

但し、狭いので出荷をしないで自給と近所で消費しているとのこと・・。

「先生、ここの土が無くなったら、その後は何を使えば良いのですか?」と

私が訪ねたのに対する先生の答えは

「最高の土に近いものを人が作るしかありませんね

「人が作れるのですか?」

「最高の土は作れませんがそれに近いものは作れるでしょう!」

“うーん???”

大きな宿題が残りました。

「土と水の自然学」を作り上げた年の秋に、

「野生の王国」(毎日放送製作)の番組取材で

アフリカのザ イール(今のコンゴ共和国)へ取材に行きました。

最初に訪ねたのが「ビルンガ国立公園」。

何万年も前の巨大火山のカルデラ盆地で、

周囲から隔離された 盆地をそのまま自然公園に指定したところです。

外輪山を超えて公園に入り平原を走っていると、

「なんだこれは!?」

と言う光景が目に飛び込んできました。

草原の中には、

カバ、牛、大小のガゼル、大コウノトリ、ライオンまでが

隣り合わせにびっしりと、

見渡す限り埋めているのです。

双眼鏡で細かく見てみると、

イボイノシシや大トカゲなども草の中に見えて、

小鳥にいたっては数限りない感じです。

これだけの生きものは捕まえたのではなく、

大昔からこのように生息していたところを、そのまま保護する為に

「国立公園」に指定したのです。

だから、この状況はずーっと昔から続いていたままなのです。

「・・・そんな!?」

“いくら自然が豊かだとしても、

これだけの草食動物が毎日食べて、

とても草が足り るはずがないではないか?”

そんな私の疑問はまだ言葉になりませんでした。

国立公園の真ん中をザイール川(コンゴ河の支流)が横切っています。

その川岸のいたる所にカバの群 れが沈んでいて、

独特の鳴き声を「ブブブブブー」と上げます。

草原の中の小さな沼地にもビッシリと カバが浸かっていて、

しゃもじの形をした尻尾をグルグル回して糞飛ばしをします。

交互に切れ目なく 飛ばすのでカバたちの背中は糞だらけ、

隙間の水面も糞で埋まっています。

見ている私の所にもそれが飛んできましたが、

不思議なことに、

まったく臭くありませんでした。

その夜レンジャーに訊きました。

あのカバの群れはそれぞれのハーレムに分かれていて、

夕暮れになると食事担当もメスを先頭にして草原へ出て行き、

一晩中食べて、日の出前に元のところへ帰ってくるとのこと。

カバが一晩で食べる草の 量は60~70㎏。

大人のカバの平均体重は6~7t。

そんなカバたちが列をなして食事に出かける光景は

さぞかし壮観だろうと撮影を申し込んだら、

即座に断られました。

空腹のカバは非常に凶暴で取材 車など簡単に引っ繰り返して、

40~50センチもある牙で人も車もクチャクチャにされるとのこと。

明け方の帰ってくるところなら良いということでしたので、

「よし、じゃ、カバの朝帰りを撮ろう!」と 決めました。

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